えっ!?レジ袋有料化したら塩ビ管の価格が下がったの?
レジ袋はエチレンで作られています。塩化ビニールもエチレンで作られています。
塩ビ管もエチレンで作られています。
と言う事は……!?
「レジ袋有料化でビニールハウスの価格も下がってます」
「へえ」
「それどころか塩化ビニール管の価格も下がってます」
「ほお」
「つまり大臣時代の政策は全く間違っていないんです」
「えっ!?」
「エチレン消費を節約したから塩ビ管もビニールハウスも安くなったんです」
「じゃあなんで国民は喜んでくれない!」
「先生が『知ってますか? プラスチックは石油で出来てます』なんてドヤるからアホ扱いされたのでしょうに」
「エチレンと塩素を混ぜると二塩化エチレンになります」
「ふむ」
「二塩化エチレンを熱分解すると塩ビモノマー。これが塩ビ管です」
「つまり建材価格が大幅に安くなる効果があるんです。原油高でもびくともしません」
「じゃあ、なんで俺のレジ袋有料化にケチ付ける奴が多いんだよ!」
「俺の出身校は建築設備閥持ってるんだぞ。このくらい常識だろ!」
「人間ってさ……」
「なんだよ、秘書! さっさと言えよ!」
「数円取られると滅茶苦茶損する感覚の持ち主なんですよ」
「たとえ年間負担額がたったの千円でもね」
「家を買う時の値段なんて建物だけで一千万・二千万単位じゃないですか」
「感覚がマヒするんですよ」
「日本人はトータルのプラスとマイナスが計算できないほど馬鹿なんですって」
「それに日本人は高校の化学の知識すらも習得してないおバカさんが多いんで。私大三教科入試で文系に行く馬鹿が多いんでね」
「そっかー」
「ちなみにレジ袋は低密度ポリエチレン」
「レジ袋は石油のゴミから出来てるとかデマっすよ」
「だよねー」
「エチレンってのはモノマー。単量体」
「モノマーがつながったものがポリマー。高分子」
「たぶん日本国民の約九割は推測ですけど『高分子』の意味分かってないですよ?」
「ポリ、ポリと言いながら『ポリ』の正式名称『ポリマー』の意味分かって無いです」
「『高分子』=『ポリマー』」
「だよねー」
「はい」
「おい、秘書! 何でいきなりポテトチップなんだよ」
「これ、この袋。直鎖状低密度ポリエチレンで出来てます」
「えっ!?」
「この政情不安定な世で石油価格の上昇をある程度抑えているのはレジ袋有料化でエチレン消費量を抑えているからです」
「特に菓子類の物価上昇を抑えることまで出来ます」
「俺滅茶苦茶有能じゃん」
「そりゃそうですよ。なんで先進国で日本だけレジ袋を有料化しなかったんですか。物事にはちゃんと意味がありますよ」
「じゃあ、なんで俺はレジ袋で失脚したんだよ」
「国民が馬鹿だからです」
※この物語はフィクションです。実際の人物とは全く関係ありません。
【解説】
本作品は2021年に執筆した作品です。もちろん2022年現在において塩ビ管は15%も値上がりしました。それみたことかとは言わないでください。これは2021年に1ドル115円だったものが150円(2022年10月)まで下落し日本円の価値が-30%もの暴落をした結果であって恐らく1ドル115円のままであればレジ袋有料化前よりも価格は下がっているハズです。
そもそも我が国はアメリカに次いで2番目にプラゴミが多い国でして食料品の値上げの要因も穀物価格の上昇分よりもおそらく原油価格分と円安効果の方が大であると思われます。なんのこっちゃない。レジ袋有料化に反対する人は自分の首を絞めてただけというのが2年後に分かったわけです。
じゃあ、過剰包装をどうやって止めていくかって話ですけど日本はこの手の議論を約40年、つまり昭和の頃から延々とやってるわけです。これは日本の潔癖症が生み出した社会病理であるといい加減に自覚した方がいいです。
したがって1つ目の解決策は包装の部分を再生紙に替えて石油依存を止めるべきなんでしょうね。
2つ目は非食用バイオマス、特にナンヨウアブラギリを「植えて」バイオマス100%のレジ袋にして生分解にすることで元の生活を維持していくことでしょう。しかもナンヨウアブラギリは砂漠を緑化できるほど水分を必要とせず実になる五部分の60%は「毒物」ですから非常に地球環境に有効です。毒、といっても生物が食べると毒何であって中身は工業用石油化学の成分ですから物は使いようでしょう。つまりレジ袋有料化は何も間違ってないのです。再生可能エネルギーにシフトさえすれば。
でもそれすらも分からない日本人の議論のレベルがもはや「コント」なので今回はコント作品として世に出すことにいたしました。