【PVアクセス数四万達成! お礼SS】幻獣たちの援助時間
本編更新できず申し訳ありません( ノ;_ _)ノ
『とりあえずカイト兄の近くにいるやつは片付いたかピィ?』
薬草摘みの依頼に外へ出てきたものの、あまりそちらの依頼には協力できないことが判明したアルは単独で周囲の警戒及び敵性種の無力化ーーーという名目のハンティングーーーを行っていた。
『これくらい狩ればギルドでクエスト依頼として何か引っかかるはずピィ!』
薬草摘みに貢献できないアルはその事実に当初落ち込んでいたが、気配察知に鈍かった猿の魔物がカイトに対して襲撃にきたのを察知、迎撃したことで天啓を得た。
ーーーそうだピィ! 薬草が駄目なら魔物を狩ればいいピィ!
クエストは薬草採集の他にも、荷運びや護衛など多岐にわたる。その中でも魔物の討伐依頼は常設依頼が設けてあるほど必要性があるものだ。
ならばその討伐依頼にヒットするよう多種多様な魔物を狩れば、カイトの役に立つ。結論が出たところでアルは内心うきうきとしつつ行動を開始した。
カイトを視認できる高度を保ちつつ、周囲にいる相手を確認、順に駆逐していく。狩った魔物はネロの許まで咥えて運び、収納してもらう。この際、多少大きいものは森ということもあり、巨大化すれば己の特性上被害が出かねないため、ネロにこの場所まで来てもらって収納してもらうことになる。その辺の塩梅を考えつつ、現在の身体でも運べる類いの相手をメインに狩っていた。
『どれくらい役に立てたかは査定してみないとわからないピィ。でも大した値段がついてなかったら大変ピィ。もう少し距離を広げて狩るピィ』
赤い小鳥の形態でありながらその高い魔法技術で魔物をさくさく狩っているアルの貢献はこの時点で相応に高くなっているはずだが、それを指摘する者はおらず、森は半ばアルの狩りの独壇場と化している。
るんるんと鼻唄を歌う気軽さでアルが魔物をハントしていると、また知覚範囲に魔物の気配が入ってきた。
『敵性捕捉だピィ!』
素早くそちらの方へ方向転換し、翼をはためかせる。
しかし、間もなくアルの知覚範囲外に魔物とは異なる生物が入り込んできた。
『? 人間ピィ?』
まだ年端もいかない少年少女だ。魔物を追いかけて来たのだろう。しかし、まだ不慣れなのかカイト並に武器を扱いきれていないように感じられた。
指示や連携もなくただ眼前の敵にがむしゃらに突っ込んでいく姿は、まだ敵が比較的弱いから戦いになっているとはいえ、長期戦になれば形勢が代わりかねないほど無謀に見えた。
『あぁ、そこでなんで弓で牽制しないピィ! 剣士は回り込んで死角から攻撃するんだピィ!』
なんとなく危なっかしいため放ってはおけず、思わず観戦体制に入ってしまったアルだが、形勢は徐々に劣勢になっていく。
『もう見てられないピィ!』
すぐさま風魔法を起動、魔物の機動力を刈り取るため四肢目掛けて魔力を解き放つ。
背後からの援護で倒れ伏した魔物に彼らは驚いたようだが、すかさず首を落として戦闘を終えたようだ。
だれが助けてくれたのだろう、と周辺をきょろきょろする彼らの元に、アルは留まっている木の表面を一部削り取り、火魔法を展開、文字を書き起こした。
指示系統の構築、連携の確認、立ち回りの指摘など、アルが見ていた限りで改善を要する箇所をこれでもかと書き込み、少年たちのもとへ飛ばす。
飛んできたそれに彼らが目を白黒させるなか、アルは膨れっ面でその場から飛び立った。
『もっと訓練してから魔物退治するピィ』
ーーーのち、少年たちは戦闘訓練のためギルドの講習を受けるのだが、その際アドバイスをしてくれた素性不明の人物を探す様子が見られた。しかしアルは当然知る由もなく厩舎で休んでいたのだとか。
皆様如何お過ごしでしょうか。
こちらは大変笑えない事態が続き、職員から笑顔が消え失せる日々が続いております。
まぁ、そんなこんなで久々のおまけ更新。今回はアル回です。
薬草採集の回でのアルの行動履歴になります。結局何だかんだ言って幻獣組って面倒見いいよねー、な小話です。
短いですが楽しんでいただけるなら幸いです。
それでは読者の皆様ご訪問ありがとうございます。