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いろいろ調べてみました

本日二話目です。


一話目まだ見てないかたは一度ご確認くださいませ。

壁を軽く叩いたり地面を確認しながらボスが先導するなか、ついに見つけたのは壁の中に仕込まれた回転扉から入れる隠し部屋だ。



「入るぞ」



ボスが回した扉に続いて入り込み、そこに整然と並べられた剥製の数に瞠目する。



牛、馬、鹿、兎ーーー魔物らしい特徴を各所に持った生物たちが、剥製となって並べられているのは異様さすら醸している。剥製たちには首の紐に数字の書かれた金属板が掛かっている。しかしそれ以外普通の剥製と何ら変わらないそれらが高い金で取引されているのは不可解といえた。



「調べるぞ」



当然何かしらの理由はあるとボスが兎の剥製の傍に寄って膝に乗せ確認を始める。



カイトも同じように山羊の剥製に寄り確認を行っていく。



そのそばに寄ってきていたネロが、ふと剥製に触って言った。



『あるじー、これ、時空魔法がかかってるにゃー』



「時空魔法?」



『剥製だから、虫食いなんかの状態悪化に繋がらないよう状態保存魔法に混じって、別の魔法がかかってるにゃー』



「………なるほど、わかるわけねぇか……。それで、何が?」



『たぶん、空間拡張魔法にゃ』



ネロいわく。



剥製そのものに拡張鞄アイテムバッグのような特性を持たせて金庫のように使える魔道具にしている。元々貴族の剥製は権威の象徴として購入されたものを長期に保存できるようある程度の処理はされる。そのひとつが保存魔法だ。



そしてそれに混じらせるように、同系統の魔法が掛かっているとするならばーーーそれを感知するのは非常に難しい。



金庫を所有していて尚、この剥製を置物で飾っていれば目眩ましにもなり得る。要は手品のように、視線誘導ミスディレクションされにくい隠し金庫というわけだ。



「でも、中に詰め物もして鞄みたいに空洞でもないのに金庫みたいにできるんだな」



『時空魔法は特殊なのにゃー』



時空魔法は本来ある空間に風穴を開け異次元へ繋げることができる魔法だ。本来の空間と重ねるように異なる空間へと繋げるため、例えば水槽の中にそれを展開しても入れたものは濡れない。ゆえにそれを操れるというのは相当の技量が必要だし、当然高等魔法に相当する。



だが、当然術者によっては魔法行使にあたりイメージで術の発動に影響を受けるようで、ネロの場合は持っている闇魔法と併せて使うことで起動を可能にしている。単体で使用するのは難しいらしい。



閑話休題(それはさておいて)



「ネロ、剥製の鞄機能を使うにはどうしたらいい?」



『ちょっと待ってにゃー』



ネロは剥製の回りを歩き回りつつじぃっと観察を続けている。それを固唾を飲みつつ見守っていると、ネロはちょうど頭のあたりで立ち止まった。



『あるじー、普通に開けるのは難しいみたいにゃー。少し強引に抉じ開けるから手伝って貰っていいかにゃー?』



「もちろん。何をすればいい?」



『剥製の口の中に手を入れるにゃー』



言われた通りに手を突っ込むと、ネロがカイトの腕を伝って影を伸ばして魔道具にかかったロックの解除にかかる。



『解けたにゃー! あるじー、手を出すにゃー!』



言われた通り手を引き抜くと、口からさらさらと粉が零れ始めた。



「なんだこの粉?」



『なんかいやな感じがするにゃ』



「これが剥製全部に入ってるのか?」



試しに別の剥製にネロが魔法行使すると、今度はごとごとと金塊が転がり落ちてくる。



「………ものによっては違うのか」



「おい、なんか見つけたならさっさと呼べ」



金塊が落ちる音でこちらの進展具合に気付いたボスたちが寄ってくる。



何を見つけたのか聞かれ、ネロから聞かされた内容を簡潔に説明すれば、ボスは静かに頷いた。



「なるほど、ならもう少しサンプルが欲しい。もう少し物を引き出してみてくれ」



言われるままにネロの協力のもと幾つか剥製の鞄機能を開いてみると、鉱物や植物、武器などが転がりでてくる。



「どういうことだ………?」



統一性のない物の数々に困惑する一同だが、理由を考えている暇はない。



とりあえず少量だけ剥製たちから抜き取ったものを、まとめてネロの魔法で回収し、カイトたちは倉庫から出るべく立ち上がった。

なんとか潜入話を書ききりました。


正直面白く書けているか自信ない……。


読者様に楽しんでいただけているようなら嬉しいです。


そうでなかったらすみません(T0T)


今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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