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到着間もなく戦闘に突入しましたが余裕でした

視界が開けた先は、草原だ。吹き抜ける風が心地よく頬を撫で通りすぎていく。



「ここが、エイルシア………」



緑広がるその壮大な草原の海は、緩やかな山を描いて向こう側の景色を遮るが、それでも仕事漬けだったカイトにとって、久しぶりに見た自然の雄大さに、思わず感嘆の息が漏れ出る。



しかしそんな景色に見惚れるカイトの耳朶に、なにやら不穏な鳴き声が届いた。



振り返るカイトだが、それよりも早く既に警戒体勢に移行していた四匹が各々の役割を理解した上で行動を開始していた。



『二時の方向、数20、豚人(オーク)だピィ』



制空権を握った上で敵の位置と数を割り出し、それを滞りなく簡潔に全員に通達を出したアルが、先制として風魔法で急所である目や首、難しければ足を狙い機動力を奪えるよう風の刃を複数起動、発射を行う。



『了解にゃー、捕まえるのにゃー』



それに少し遅れて、ネロが駆け出し、まだ行動を可能にするオークを捉えたのとほぼ同時に己の影を縄のように太く長くに分裂させ、それらの個体を速やかに拘束、行動不能に陥らせた。



しかし、オークのなかでもまだ抵抗をしていた数体が拘束を振りほどき、逃走を図ろうと踵を返す。



『逃がさないんだキュー』



しかしそれを許すまじとカイトの足下で待機していたレンが遠距離のそれらの敵を捕捉、レンを中心として起動された魔方陣が煌めくと同時、それらのオークを囲うように青白い立方体が展開、檻のように閉じ込めた。



『仕上げは僕なのー』



同じくカイトの傍で待機していたルイが、十数本の氷の刃を展開してそれぞれのオークへ向けて射出した。



見事すぎる制御(コントロール)で放たれた氷刃は、瞬く間にオークの首を刈り取っている。レンの結界もルイの魔法が届く寸前で解除され、魔法の阻害をすることなくオーク全員の命を奪い去った。



一連の流れが開始されてから僅か三十秒の出来事である。



「………えええぇぇ……」



アドラウス神が相当念入りに作り込んだのか、素早い戦闘の一部始終はカイトの目で捉えることを可能としたが、脳がその現実を認識するのに少々時間を要した。



「お前ら、手慣れすぎてないか……?」



流れ作業をやっているかのような素早い連携プレーに、ただただ言葉を失うカイトである。



『だってずっとみんなで修行してたのー』



『むしろ手を抜く方が大変だったキュー』



『だから、加減を間違えて取り逃がしかけたピィ』



『まだまだ修行が足りないにゃー』



項垂れるアルとネロに、興味本位で尋ねてみる。



「ちなみにさ、加減間違えたらどうなるの?」



四匹は顔を見合せ、断言した。



『ちょっと力むだけで地形変えちゃうのー』



『戦った相手を塵にしちゃったりもするキュー』



『だから木っ端微塵にしないよう役割を分けて加減を覚えてる真っ最中だピィ』



『こればっかりは練習を積まないとなのにゃー』



「………うん、そうだね。是非ともそれはしっかり学んで欲しいな……」



力加減の失敗で相手を粉々にしたり地形を変えるのは絶対に止めて欲しい。



笑えない話に頬が引き攣るのを自覚しつつ、とりあえずこの手加減の訓練は今後も積極的に取り組んで貰おうとカイトは思った。



とりあえず話が一段落したところでオークたちの死体の処理をどうしようかと思いそちらを見やる。解体のやり方もなにも分からないし、大体処理済みの肉しか使ったことのないカイトにとって血に(まみ)れて処理するのは、個人的に嫌だ。



どうしようかと悩んでいると、ネロが得意げに鳴いた。



『あるじー、ここはネロに任せるにゃー』



そういって己の影を広げたネロは、オークの死体をすべて影のなかに納めると速やかに影のなかに取り込んだ。



『影のなかに作った空間領域にオークをしまったにゃー。町にいけば解体の出来るひとにお金を払って頼めばいいにゃー』



「うん、ありがとうネロ」



カイトのために覚えたというネロの魔法がこんなにも早く役立つとは。ネロを抱き上げ撫でて誉めるカイトである。



『じゃあ、空からアルが町まで誘導するピィ』



『なら、カイは僕に乗るのー』



そういってルイが自らの背に乗るようカイトに促す。



「わ、わかったよ」



戸惑いつつもカイトがルイに股がり、一行は出発を開始した。

なんも考えずに書くと、情景や戦闘諸々の文章描写がかなり抜けてしまいますね。


しかしその辺も気を遣いつつ書かないといけませんね。


でも、難しく考える必要ないから楽だわー


それでは皆様、読んで頂きありがとうございます。


今後もよろしくお願いいたします(*´∇`*)

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