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ありったけのありがとう

離れていてもどこかで繋がってるって俺は思ってた


あたし達は絶対に別れないって思ってた


日に日に感じられなくなるお前の温もり


少しずつ少なくなるメールの回数


いつも握りあっていた俺の左手は時折寂しさを感じる


だんだん思い出せなくなるあなたの笑顔


そんなはずはないと焦りが生まれた


でももし本当だったらと不安がよぎった


いつの間にか二人の距離は実際の距離よりも遠く離れたものになっていた


待ってるなんて簡単に言えたけど、あなたのいない毎日なんてあたしにとっては色のない世界と同じだった


お前の肌の温もりに触れられない……それだけなのに俺は一人深い海の底にいるぐらいに孤独だった


もう俺たちを繋いでいるものはなくなっていた


ある日、お前が俺を呼び出した


あたし達自身の終わりを告げるために…



別れの言葉はとても簡単なものだった


お前が

「さよなら」

と言うのを俺はそれに頷く、ただそれだけだった


お前が俺の前からゆっくりと遠ざかって行く


俺は自分だけに聞こえる声で、お前にありったけの思いを…


「ありがとう」


あたしはゆっくりとあなたのもとから去っていく


最後にあなたに何か言いたかったけど


振り向いたら絶対立ち直れない気がした


だからあたしは心の中で精一杯の思いをあなたに…


「ありがとう」

今日の天気は晴れなのに、二人の目には大粒の雨が降っているように見えた

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