表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら勇者なドラゴンでした(α版)  作者: ふらあま
A NEW LEGEND
89/99

88.ガイウス

ーー

大鷲ガイウスがあらわれた!

【コマンド?】


▼たたかう

ーー


 まずは様子見だ。【みやぶる】!


ーー

〖大鷲ガイウス〗

HP 5672 100%

MP 2341 100%

ーー


 思ったより強い。多分僕だけで戦うような相手じゃない。


「牽制しよう。合体【大火炎の息】!」


 大火炎の息で攻撃するとガイウスは翼で風を起こして炎を返した。


「やっば!超進化!」


 僕はアイスドラゴンになって炎をかき消した。風の扱い方は飛べる向こうが上手か…


【今のは【台風呪文】だな。】

「台風呪文?風系呪文なのは分かるけど普通ののと違うの?」

【【台風呪文】。【旋風呪文】の上位互換で強力な旋風を起こす呪文だ。以前アクアが使っていた【吹雪呪文】は【冷気呪文】の上位互換の呪文だ。】


 なるほど、あの羽ばたきに巻き込まれたらひとたまりもないな。いくらブレスドラゴンといえど僕の力じゃ全ては使いこなせないから反撃はできないだろう。

 アイスドラゴンは使い慣れてないから敵わない…いや敵を止めるには一番適してるじゃないか!


「鳥は落とすに限る!はあっ!」


 僕はアイスドラゴンで吹雪を放ち、ガイウスの翼を攻撃した。


【なるほど、翼が凍れば飛べなくなる。こちらが有利になるな。ヤツが空を飛べる間は反撃の可能性がある。ブレス系のとくぎは控えろ。】

「でもそれならどうやって攻撃するのさ?」

【纏わりついて直接凍らせろ。それかあの風に負けない程の吹雪を起こせ。】


 吹雪か。ブリザードドラゴンならそれも可能だろうけど…あれはムーンがいないとなれない特殊なドラゴンだ。今ムーンは留守だし、それは不可能だろう。


【今ある力でなんとかしろ。】

「仕方ない、ならこうだ!うおおおおおおおおおおぉぉぉおおおお!!!!!!!!」


 僕は全力で冷気を放った。

 でも吹雪はガイウスの羽ばたきで地面に跳ね返された。


【イロアス!闇雲に打つな!返ってダメージをくらうだけだ!】

「僕がそこまで何も考えてないと思った!?全部計画通りだ!うおおおおおおおおぉぉおぉおおお!!!!凍り尽きろおおおおおおぉぉおあお!!!!」


 周りの温度がどんどん下がってきて、ガイウスの動きが鈍くなってきた。一旦冷気を止めて【投影】で影を残してガイウスの裏に回った。

 残った吹雪で見えにくくなった影は本物同然。ガイウスも影を攻撃していて手応えがないことに戸惑っていた。


「今頃気がついたか!もう手遅れだよ!アイス直伝!【フリーズブロウ】!!!」


 俺は背後から濃厚な吹雪をぶっかけた。

 狙い通りガイウスは背中から翼が凍って制空権を失ったガイウスは地面に落ちた。


「どんなもんだい!さあ【青桜の花びら】をくれ。」


 僕も体温がかなり低下していて半分寝ていたが苦しんでいる彼らを思うと倒れる訳にはいかないと踏みとどまった。


「お前は…何故花びらを求める。」

「僕は…倒れた人間を…助けたくて…」

【イロアス、体温が低下している!これ以上は眠ってしまう!】

「早く…花びらを…」

【イロアス!】


 もう…限界だ…


「問題ない、花びらをやろう。ただ…お前が渡しに行ける身体では無さそうだがな…」


 ガイウスは僕に【青桜の花びら】を渡すと背中の氷を砕いてから僕を背中に乗せて村の方に飛んだ。


「どこに連れて行く気だ?」

「村だ。それ以上にどこがある?」

「何でそれを…」

「私は君が知る以上に君を近くで見ていた。君が子どもに優しいことも、大人には丁寧に対応することもな。」


 僕はすぐに理解できなかったがよくよく考えるとガイウスがそう言った理由が分かった。


「…もしかして、花びらの場所を教えてくれたあの親子?」

「その通り。だが、私のことは他言無用で頼む。花びらは自分で見つけたと言ってくれ。」

「どうして?」

「私には彼らが眩しすぎるからな。」

「うーん…分かった!」


 羽毛をよけて肌を見ると傷だらけだった。ガイウスが何でそう言ったかはよく分からなかったけどきっとガイウスにはここを守る理由があるんだろう。


 ガイウスは村に近づくとまた鳥のモンスターになって歩いて村に入った。


「あんたたち!勇者様の凱旋だよ!早く治療しておくれ!」


 ガイウスは村のモンスターたちに僕を預けるとそさくさと民家に入って行った。


(相棒遅いじゃないか!どこで道草食ってたんだよ。)

「ご、ごめん…」

(あとは預かる。よっと!)


 ムーンは僕にのりうつって人間たちが寝ている場所に向かった。


「人間たちは?」

(あたいが持ってきた【ユウヤケヨモギ】で作った薬で容態は安定したよ。なかなか見つからなくてヒヤヒヤしたけどな。それからはあんたを追いかけようとしたけどコマンドが『【青桜の花びら】を手に入れたから待っててくれ』って言われたから待ってたんだけど…まさかあんなデケエ鳥に乗って戻って来るとは思わなかったよ。)


 帰り際にコマンドの声が無かったのはそのせいだったのか。いつもなら絶対【~を手に入れた!】とか言ってるのに。


【製作した剣の試し斬りをしたいんだが…お前でいいか?】

「やめてくださいしんでしまいます。」


 コマンドもたまに自由だしそういう所はドラゴンっぽいな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ