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転生したら勇者なドラゴンでした(α版)  作者: ふらあま
A NEW LEGEND
83/99

82.奴隷商人の拠点に潜入せよ

 ノックダーラの町を出て数時間、僕らは終族騒動があった森に着いてスィールバに手伝ってもらいながら潜入のための準備を進めていた。


「ありがとうスィールバ。」

「気にしなくていいよ。これは僕も解決したかったことだし、ちょっとぐらい手伝わせてよ。僕も外で敵を見張るつもりだから任せて!」

「うん、よろしくね。」


 お昼前には準備は完了したので軽い昼食を取って潜入することにした。

 スィールバには「ドラゴンも食事するんだ。」と驚かれたけど…折角の異世界なんだし色々食べてみたいじゃん。ほら、料理が美味そうなゲームとか多いし…


(そのゲームとかは知らないけど、あんたが作る料理は美味い。作ったことあるのか?)

「うん。この世界に来てからは面白そうな食材が多くてさ、たまに毒入りで失敗もあるけど頑張って食べられるくらいの料理は作れるようになったよ。前いた世界の料理には敵わないけど。」

(ふーん…そいつはまた今度聞くよ。今は何を作ってるんだ?)

「カレー。」

(美味そうだな。多めに作ってやれよ、いろんな奴らが食いたそう目でこっちを見てるからな。)


 周りを見ると色んなモンスターたちが僕のカレー鍋を見ていた。

 これは…分配するしかないな。


「コマンド、大鍋出して。みんなも食べたいなら手伝って!ムーンとスィールバも!ほら!」

(はいはい。)

「何で僕まで…」

「文句言わない!ほらこれ全部切って!形、気をつけてね!」

「…分かったよ。」


 僕らは協力してなんとかカレーを作った。寝かせて置いておいしくいただくつもりだったのに…全部食われた…時間ももうすぐ夕方だけど潜入するか。


(予定より遅れたけど人間なら疲れて眠いと感じる時間帯だ。バレても良いようにマイティドラゴンで入れよ。)

「了解。」


 僕らは奴隷商人のアジトに潜入した。


「こちらイロアス、潜入に成功した。敵の気配はない。」

【そこから地下に進め。周囲に気を配ってトラップにも気をつけて進むんだ。オートマッピングを過信し過ぎるな。いつ地形を変えられるか分からないからな。】

「了解した。」

(あたいもいるから地形を変えられることに関しては気にするな。変えられたらあたいがねじ曲げてやる。でも油断するなよ。)

「もちろんだよ。依頼に戻る。」

【待て、ここでは名前で呼ぶな。コードネームを使用しよう。】

「了解、じゃあ『セレクト』。」

【ではお前は『フューチャー』だ。】

(なんであたいは自分で…まあいい。『ルナ』って呼べ。)


 僕は更に潜入した。道はしっかりしていて壁や地面も整っている。人工の洞窟なのだろう。

 洞窟の中はひんやりしていて奥に進むにつれて人の気配を感じられるようになった。敵か被害者、どう転ぶか…

 しばらく夜目を頼りに進んでいると奥から光が近づいてきた。僕はとっさに天井に張り付いて様子を見ることにした。


「侵入者がいるって聞いたけど本当かな…私たちを助けに来てくれた人なのに見つけたら殺せだって…私、どこで間違えたんだろ…」


 歩いてきたのはガラスのランプを持った女の子だった。靴もなく裸足で服もただの布切れだ。その割りにゴツい首輪をつけていた。

 女の子が通りすぎてランプの光が見えなくなって地面に降りた。


「セレクト。」

【聞いていた。どうやらあの首輪が彼女を無理やり動かしているらしい。もしかしたら奥に予備の首輪があるかもしれない。分析するためにもまずはその首輪を探せ。】

(入り口よりも気配が増えてるね、そろそろ敵もお目見えになるから慎重に進め。向こうには人質がいることを忘れるなよ。)

「了解。」


 僕は更に深くへ進んだ。

 進むにつれてかがり火が設置されていたり空の木箱が放置されていたりと人間の痕跡がちらほらとあった。

 しかし、奴隷に関する手がかりはほとんど見つからなかった。もしかしたら常に誰かが持ち歩いているのかもしれない。


(手がかりがないんじゃ探しようがないね…あんたの【真実の羅針盤】に反応は?)

「ない…こともない。けど反応が弱過ぎて反応が捉えにくいんだ。きっと真実に近づくためのモノとしては遠いんだと思う。」

(なるほど、真実から遠いねえ…けど道があるなら遠回りでも証拠を掴んで進むべきだ。あたいは別行動する。何か見つけたらセレクトを通して連絡する。)


 ムーンの気配が遠くに離れて行った…僕もこの微弱な反応を追いかけないと反応的にはこの道を真っ直ぐか。

 敵に気をつけながら進んでいたが一向に敵が現れた気がしない。もう出てきても良い頃だけど…まさかもう囲まれてるとか?

 目に見えることだけが真実とは限らない。僕は【みやぶる】を使って周りを見渡した。

 僅かに人の反応があった。反応は3つで全部黄色…警戒の色だ。

 少し驚かせてみようか叫んでみよう。


「ぐおーっ!」


 警戒の色が強くなった。きっと強さが分からないからだろう。僕は影を色んな方向に投げて敵をバラバラにした。ただ、一番強い気配を持った敵は影にかからなかった。


「ルナ、状況は?」

(こっちは首輪を見つけた。ついでに契約書やらの証拠も持ち帰る。奴隷の方は引き続き捜索する。)

「こっちはリーダー格の敵を見つけた。どうする?倒す?」

(今は何もするな奴隷を人質に取られてこっちも捕まる。身を隠しながら雑魚を黙らせろ。こっちの情報が筒抜けになったら困る。)

「了解。」


 僕はその場を全速力で飛んで離れた。

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