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転生したら勇者なドラゴンでした(α版)  作者: ふらあま
A NEW LEGEND
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75.コマンドサイド

 ムーンが捕らえて木から落とした者はリザードマンという種族の者だった。


(このあたいを暗殺しようなんて度胸あるじゃねえか。)

「この人間め!森のみんなに何をしたんだ!僕は絶対にお前を許さない!」

(あー…一旦落ち着け。あたいもこの状況を分かっちゃいないんだよ。見たところ何も知らない訳じゃないんだろ?何があったのか聞かせろ。)

【ムーン、それは質問ではなく脅迫だ。】

(…)


 どうやら聞く耳を持たない様だ。

 何か狙いがあるのか?話が見えないがまずは聞こう。


「紫色の光が森の中心で光ったと思ったとたんにその光を浴びた魔物もモンスターも暴れ始めたんだ。その光を放った影が人間の姿で少しハデな装備をしていたから原因を探って森を走り回っていると君たちを見つけたってこと。犯人はお前だろ!」

(言いがかりが過ぎる。そいつの特徴はもっとないのかい?)

「知らないよ!僕だってよく見えなかったんだ!あるとしたら変な光に文字があったことくらいだ!『我らが神よ、この平穏なる世界に大いなる終末と混沌をもたらしたまえ』ってね!」

(終末…ってことは…)

【犯人は終族ということだ。【DR-02】に終族捜索レーダーを表示する。】

(大体分かったから了解!)


 さっき言った【DR-02】とは【データライザーVer2.0】のことだ。

 長すぎると時間がかかるからな。

 ムーンが飛び回っているが捜索レーダーには全く反応がない。


(ああもう!終族のカンはあんまり利かないから全然見つからねえ!)

【捜索レーダーも最大まで広げているが反応がない。既に逃げられたか…】

(いや、絶対にどこかにいる。今までに会った終族と同じ気配はどこからか感じるんだ。必ず近くでこの惨状を見て楽しんでるはずだ。けど…くっそ!どこにいやがる!)


 何か見落としがあるのか?データライザーやレーダーに不備か?

 違う。もっと…もっと違う何かが…この時勇者なら何を考える?終族の弱点?特徴?あるとすれば…光か?


【ムーンよ、終族は強い光に敏感だ。何か有効な手はないか?】

(光か、いいアイデアだね。【エレメントマジック"(ライト)"】!おらとっとと輝け!)


 ムーンは呪文を唱えて手に持った光を天高くに投げた。

 握った手を光に向かって掲げて手を広げると眩い光が視界を包んだ。

 と思ったが視界が良くなって周りが見やすくなっただけだった。

 するとレーダーに終族の反応があった。


【レーダーに反応あり!10時の方向に一体の終族!】

(あいよ!標的を捕捉!速やかに討伐する!)

【っ!?何者かの接近あり!6時の方角!】


 ムーンは速度を落として近くの木に身を潜めた。


(アルーズ、身体は大丈夫かい?無理させて悪いな。)

「大丈夫です!このくらいの無茶は慣れてますから!」


 アルーズもこう言ってはいるが疲労度は47%

 普通ならばもう動けないと思う状態だろう。

 ムーンも分かってはいるだろうが常に限界を超えて戦おうとするムーンにとっては手加減は難しいはずだ。


【間もなく視界に入る!】

「うおおおおお!!!!終族、お前だけは絶対に逃がない!!!!」

(あいつさっきのリザードマンじゃねえか!あたいを追っかけて来たのか!)

【ムーン、どうするんだ。】

(…回復しながら様子を見よう。)

【何故だ?協力すれば倒せるのではないのか?】

(初対面ですぐに連携できると思うなよ。あたいだって相手の性格やら戦闘スタイルやらで連携のやり方を変える。クチで言うのは簡単だろうけどやってみると難しいんだよ。)


 そう言っているムーンだが、さっきからずっとリザードマンを見ている。

 作戦が何かを立てているんだろう。

 ムーンの場合は違う可能性もあるが、誰よりも命を大切にする。

 憶測だが、リザードマンを助けに入るだろう。


(そりゃあ相棒だったらここで一発蹴りを入れたら終いだけどよ、あたいにはその力がない。良くて退ける程度だよ。)


 そうか、終族を完全に消滅できるのは勇気の力のみ。ムーンにはその力がない。

 しかし勇気という特殊効果はムーンにも存在している。

 確かヨクトも勇気を解き放って大爆発を起こしていた。

 それを上手く利用して勇者の力を再現できないか?

 何か…ヒントはないか?


【ぐっ!また…あれか…】


 我の意識は現実から遠退いていった…



〖君は…自分が何者か分かっているのかな?〗


 抑揚が深い話し方の男の声…


【お前は…勇者の言っていたディレクか。我に何の用だ。我を何のために生み出した!】

〖そこまで知っていたのか。さすが【人工知能】成長が早い。姿を持たせず勇者のそばに居させたのは正解だった。シンギュラリティに達するのも時間の問題だね。〗


 人工知能?…シン…ギュラリティ?

 くっ!頭が…割れそうだ…


〖まだ理解が追い付かないか、それも仕方ないね…同じデータベースが二つも存在しているんだそうなるのも仕方がない。けどこれだけは分かって欲しい。ボクは君たちを愛している。〗

【どういうつもりだ…】

〖今はまだ多くを理解しなくても良いさ。その内全て分かるようになるよ、WORLD GUARD PROGRAM β'。〗


 その瞬間我のデータベースに何かが書き加えられた。

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