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転生したら勇者なドラゴンでした(α版)  作者: ふらあま
A NEW LEGEND
66/99

65.DANGER

 ムカデは眷属を呼び出して数で攻めてきた。

 僕は数で圧倒されかけていた。

 直接単体攻撃を得意とするこの姿じゃ状況判断を打破することはできない。だったら…!


「【超進化】!」


 僕はアイスに超進化して冷気を放ってムカデを完全に凍らせて尻尾で凪ぎはらって砕いた。


「よくも…よくも我が眷属を!」

「気の短い野郎だな!」


 確かに状況は打破できたけどMPは60%を切ってる。

 状況的にはかなりこちらが不利だ。

 けれど向こうの手札もかなり減らしたはずだ、明らかに次の手に悩んでる。

 頭で戦うタイプの特徴だ。

 それに対してこちらは残りの札はわずかだ。超進化と勇気それと…


【勇者よ、アレは選択肢から外せ。危険すぎる。】

「でも使わないと勝てないんだ!」


 僕は腕に着けている装備のスイッチを入れた。


ーー

 WARNING!RISK OF RUNAWAY!

ーー

 この装備をもらったときのことを思い出した。


ーー

「これ何?アクセサリー?」

【『デッドヒーター』。不用意に使わないように軽いカバーを付けた。開くと警戒色があらわれ、その中央に『ハザードライト』という石を置いた。左腕に着けて使用するアクセサリーだ。ただ、これの石を砕いたときには周りにある全てのものが破壊されると思え。】

「この石はそんなに危険なの?」

【危ないどころの話ではない。これは『終末化の結晶』のデータを元に作ったものだ。ハザードライトはそれに自我を保つ制御プログラムを組み込んだデッドヒーターを取り付けただけのもの。それでも暴走する危険がある。これは本当にヤバいときに使え。愛と平和のために作ったものだからな。それこそ仲間が危ないときに使え。】


 ラブアンドピースのためか…


「あれ?コマンドってたとえ世界を破壊するためでも僕の選択を確実のものにするだけだって言ってなかった?」

【あれは建前だ。あのときはまだ分からなかったが、お前の心に触れていくことでお前の真意が分かってきた。お前は世界のためというより目の前をどうにかするために戦っている。しかし、その中に仲間への慈悲と愛がある。】


 じっ、慈悲と愛!?


【不安定な部分もあるが仲間という存在がお前の中の勇者を支えている。ヨクトもお前も皆の心に小さな希望をくれた。これはその結晶と言えばいい。】


ーー

 僕はみんなを守りたい…ここで戦ってる人間たちも、ファングやポイズンも、外で怯えているかもしれないモンスターや人間たちも!全部ぜーんぶ守りたい!


「覚悟は決めた!決意も固めた!勇者は100%!」

【絶対に開かせんぞ!お前に暴走されたらたまったもんじゃない!】

「開けろ!」

【無駄だ!】

「貴様、何をごちゃごちゃと言っている!」

【「うるせえ邪魔だーー!!」】

「ぐおっ!」


 僕は…誰にも死んでほしくない!

 そのためには誰かが全力にならなくちゃいけないんだ!


「うおおおおお!!!!開けろおおおお!!!!」

【止めろイロアス!止めるんだ!!】

「だあああああ!!!!!!」


 凄まじい音と衝撃と共にカバーが開いた。


ーー

 DANGDR!DANGER!DANGER!

ーー


【どうなっても…知らんぞ!】

「……超過進化。」


 僕は『デッドヒーター』を叩き砕い…


(ちょっと待った相棒!【のりうつる】!)

「うわっ!びっくりした!ムーン、間に合ったんだね!」


 洞窟の天井をすり抜けてムーンが僕に突っ込んできた。


(おう、チョーツエー助っ人を呼んできたよ!戦局は文字通り形勢逆転ってわけだ。)


 …どんな人を呼んだのさ。


(ドラゴンだ。結構苦労したからその分強いよ?)


 ドラゴン!?それって主戦力の方だよね?ははは…さすがムーンだね。


「君に賭けて正解だった。さて、反撃開始と行くか。行くぜ、相棒。」

(…いいや、選手交代だ。)


 ムーンはそう言うと足元に敷いていた大地呪文を起動させて壁を作ってしまった。

 右を見ても左を見ても部屋の端から端まで真っ直ぐな壁ができていてムカデと僕たちを分断した。

 ムーンは僕から出て作った壁を抜けて行った。


「ムーン!どういうつもりなんだ!返事してよ!」


ーー

(そう言うな、あんたも疲れただろ?ここまで耐えたんだからあたいにも戦わせろ。どーしても戦いたいってんならその壁ぶち抜いて来い。)

ーー


「そんな無茶…でもやるしかないか!精一杯…足掻いてやらあああああ!!!」


 何度も何度も同じ所を爪で攻撃したけどさすがムーンの呪文だ、かすり傷一つ付かない。

 逆にこっちの爪が割れてしまった。


「痛った!硬すぎでしょこの壁!密度何%なのさ!」

【正確には分からないがかなりみっっっちりしている。うむ…自分で気づくまで教えまいと思っていたが仕方ない。勇者よ【超進化】の特性を知っているか?】

「えっ、なんか戦いやすくなるんでしょ?対応する属性に特化した姿と能力になる…そんな感じじゃなかった?」

【的を得ているがそれだけではない。お前は気づいているはずだ。垣間見える超進化の可能性を。】


 垣間見える進化の可能性…僕は今までの行いをおもいだして【真実の羅針盤】を起動した。


ーー

 これで全部たおしたと思ったけど…縄張りに入ったときみたいに心がざわざわしてなんだか落ち着かない。

ーー


 その瞬間、凄まじい頭痛が襲って慌ててスキルを切った。


【【おもいだす】と【真実の羅針盤】の二つを併用したせいで脳が処理超過を起こした。我に言えばいいものを…】

「いつまでも頼りっきりもダメでしょ。でも、分かった気がする。【超進化】!」


 僕は壁を破れるドラゴンに超進化した。

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