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転生したら勇者なドラゴンでした(α版)  作者: ふらあま
A NEW LEGEND
65/99

64.センチピード

 今までと気配が違う扉に着いた、確実に強い魔物がいる。

 緊張感と共に扉を開けた矢先に氷の塊が飛んできたのですぐに飛び退いた。


「貴様!よくも我らのスタンピードを踏みにじりよって!絶対に許さんぞ!」


 攻撃してきたのはムカデのような魔物だった。


「キミがスタンピードを起こした犯人?だったら倒すけどいいよね?答えは聞かないけど!【超変身】!」


 僕はマイティに戻って構えた。


ーー

〖ムカデまどうし〗があらわれた!

【コマンド?】

ーー


▽たたかう


 僕、ゴキブリとか平気で潰すけど正直言って虫は苦手なんだよねー。


【文句を言うな、戦わなければ生き残れないのだからな。奴は見た目より素早く賢い。隙を見せないように戦え。】

「そんな無茶苦茶な…けどやってみるよ!」


 普段ならムーンを頼りたい所だけどいないからね、自分でなんとかするしかない!


「【火炎の息】!はあっ!」

「甘いわあ!【大火炎呪文】!」

「だったら【雷雲の息】!」

「その程度か【大大地呪文】!」


 あまり多彩な攻撃をすれば手の内を明かすことになる!ここは直接攻撃で攻めよう!

 【マイティアタック】を構えてムカデに向かって飛び出した。


「【大火炎呪文】むん!」


 使える呪文は大地系と火炎系、この二つみたいだ。

 まだ隠してるかもしれないけどとっさに出したのがこの呪文なら得意なのだろう。

 どちらも広範囲に広がりやすいから不意に近づけさせたくないんだろう。


「ここ抜け道!それっ!」

「ぬあっ!」


 飛んだまま呪文の薄い所を無理やり抜けてムカデを斬った。着地すると足元が光ったので慌てて飛び退くと地面が鋭くなって僕がいた場所を貫いていた。

 【大地呪文】か結構多彩だね。コマンド、情報をまとめて。


【現在分かっている行動はこんな感じだな。】


ーー

 ムカデまどうし


 じゅもん

【火炎呪文Ⅱ】【大地呪文Ⅱ】

 とくぎ

 ????

ーー


【奴の行動を見ると、まだいくつか切り札を隠し持っている。注意しろ。】


 結局手札の見せ合いってことか。まるでトランプだな。一瞬の判断ミスが相手に隙を見せることになる!

 まずはすでに晒した手札で攻撃をする。それでどこまでいけるかやってみる!

 僕は自分の頬を叩いて奮い立たせた。


「さて、仕切り直しだ!いくぞ!【ほのおの息】!」

「それは見切ったわああああ!!!!【大火炎呪文】!!」


 僕は炎の息を後ろに向かって吹いて加速。翼を盾にその勢いのままムカデが放った炎に飛び込んだ。


「ぬうううっっっ!!!だりゃっ!」

「ぬあっ!我の炎を突っ切っただと!?」


 これ結構キツいんだよね…軽く火傷しちゃうんだよ!一応翼でガードしてるけど、もう熱いの熱いの。炎に強いヤツ、大地属性のドラゴンとかになりたいよ…


【欲を言っても成れはしない。今ある力でなんとかしろ。】

「りょーかいでーす。【雷雲の息】!」


 僕は自分の周りに雷雲の息を吐いて姿を隠した。


「ふん!【センチピードウィップ】!」

「うわあっ!」


 ムカデの長い身体を僕に巻きつけてジャーマンスープレックスをされた。いてて…

 何で僕の場所が分かったんだ?正面は雷雲で見えなかったはずなのに?何か…何かタネがあるはずだ。惑わされたらダメだ、早々に決めてしまおう。僕は【プラスブレイブ】を構えた。


「……ん!ふっ!」


 更に距離を取って後ろ右足に力を込める。


ーー

 BRAVERY CHARGE

 10% COMPLETE!

ーー


 ムカデに向かって走った。一歩、また一歩としっかりと強く踏みしめて、いいところまで近づいて飛んで勇気を纏った右前足を頭に叩きつけた。

 吹き飛ばされたムカデを横目に僕は勢いを失って着地した。ムカデの頭にはドラゴンの紋章が…


 浮かび上がらなかった。


「なっ!?」

「ふん【大大地呪文】!」

「ぐあっ!」


 何でだ?普通、食らったら爆発するはずなのに?でも、これでこいつが普通じゃないってのはよーく分かった。


「【みやぶる】っ!」


 気になった所をみやぶると何かの影が見えた。僕はその場所にあった不自然な杖を砕いた。

 すると景色が歪んでさっきより一回り大きなムカデがあらわれた。


「なっ!我の幻術を破るなどありえない!」

「破ったんだったらありえないってこともないでしょ?僕にウソは効かないよ?非常識には慣れっこなんでね!」


 あっかんべー!といいつつも内心メチャクチャ焦ったけどね!

 命の駆け引きってこんなにヤバかったっけ?

 …ああ、ムーンがいないからか。

 半分だけぽっかりと空いた感じだなー。


「【センチピードウィップ】!」

「おっとっと!危ないな、考える余裕はくれないってか!当たり前っちゃ当たり前だよなー、姿を見せたからにはもう逃がさんぞー!」


 僕はもう一度自分を奮い立たせた。

 ムーンはいないけど、カッコ悪いとこは見せられないからね!

 絶対に負けられない!


「貴様、一体何者だ!」

「通りすがりのドラゴンだ、覚えとけ!」

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