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転生したら勇者なドラゴンでした(α版)  作者: ふらあま
A NEW LEGEND
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63.スタンピード突入

 迫り来る大量の魔物をバッタバッタとなぎ倒しながら僕らは洞窟に向かって走っていた。


「ポイズン、キミって何の職業なの?毒をよく使うみたいだけど…」

「さすがイロや、ええとこに気がついた。ワイは世界でたった一人の『毒使い』っちゅー職業なんや。」

「すごい!」

「素直に褒められると照れるわ!」


 コマンド、毒使いって…


【検索したが、確かに存在した。毒を操り、攻撃と回復をこなす職業らしい。ポイズンに補助してもらい、毒を生成できる者であれば誰でもなれる様だ。】


 へえ、なんかまがまがしい力だね。僕があのとき気絶したのも毒使いの力だったのか。


「イロ!止まれ!」

「どうしたの?」

「一旦休もうや、急ぎ過ぎて死んでしもうたら元も子もない。ワイもちょいと準備するから。」


 確かにここから先は更に魔物の量が確実に増える。ここで休憩するのはいいかもな。


「でも、魔物が来たらどうするのさ?」

「大丈夫や、ワイの【毒の沼地】に入ればそこらの魔物は一瞬で蒸発するからな!」

「お、おう。」


 ポイズンってわりとエグいよなー、主に力の使い方がムーンに近い。


【その意見については我も同感だ。それと焚き火がある場所では【破邪呪文】による安全地帯を作ることができる。どうする?MPの消費はないが、使用すれば安全を確保できる。】

「分かった、【破邪呪文】それーっ!」


 僕が呪文を唱えると周りから魔物の気配がなくなった。破邪呪文ってすごい!まあポイズンは気づいてないけど、ここは安全って保証ができるな。

 僕らは冒険の書に記録したらすぐにそこを出発した。



 森を全力で駆け抜けてる間にスタンピードがどこで起こったかコマンドに確認してもらった。


【うむ、ポイズンから得た情報にもよると交戦しているのはノックダーラの町の人間たちだ。ほぼ互角だが、若干数で押されているな。ムーンも援護を呼ぶと言っていたが間に合うかどうか…】


 ムーンの援護…一体どんな種族を呼んだんだろう?すぐに来てくれるかな?…いいや、今は目の前のことに集中しよう。どのみちここを切り抜けなくちゃ。あがかなきゃ生き残れない!


ーー

 勇気がみなぎって特殊効果【勇気】がBPブレイブパワーに変化した!

 BPを80Pかくとく!

 特殊効果【プラスブレイブ】をおぼえた!

ーー


【うむ、とくぎに勇気を乗せることができるようになったらしい。一見変わりがないように見えるが効率が格段に上がっている。だが実戦においては敵によって込める勇気の量が変わるのでそのつど我に指示をくれ。】


 任せた。僕、勇気の存在は分かるけど使い方全然分かんないもん。そんなことをよそに僕らは洞窟に進行していった。


「ポイズン、僕に掴まって!【超進化】!」

「ちょい待ちいな!ワイは胴体が長いねんから!縮めんのに時間かかるんや!」


 ここのままじゃ埒が明かない!僕はポイズンの手を取ってブレスに超進化して飛んだ。ふとポイズンの言葉が気になってチラッとポイズンの方を見るとポイズンの長かった胴体が半分くらいまで縮んでいた。長いと不便もあるだろうし、縮める力とかもあるよね?


「あんさん、師匠の力も使えるんか!貰ったとかやないよな?」

「助けはもらったけど力はもらってないよ。僕の力は僕自身が切り開くものだからね。」


 そのまま空を飛んでる敵も蹴散らして洞窟の目前まで飛んだ。


「ワイは外に出てきた奴らをくい止める!イロは洞窟の中を叩け!」 

「分かった!」


 ポイズンが僕から手を離して着地した所を見届けたら僕は洞窟にそのまま飛び込んだ。

 洞窟には魔物がうじゃうじゃいて、とにかく天井の狭い空間を飛んで魔物の発生源を目指した。コマンドのオートマッピング機能とブレスの風を読む力で最深部を目指した。

 ある通路を走っているときに魔物たちの雰囲気が変わった。それに魔物が強くなった気がする。


「ここ、緊張感が違うね。」

【うむ、大事なものを隠している可能性が高い。】

「調べてみよう。起動せよ!【真実の羅針盤】!」


 羅針盤は何の変哲もない壁を指した。

 

【やはりその程度の性能か仕方ない、一つ一つ調べて…】

「ちょっと待って、この壁…魔力を感じる!これは意図的に張られた壁。つまり…こうすれば開く!【大大地呪文】!」


 呪文を唱えて壁をこじ開けると沢山の金銀財宝が出てきた。その部屋の端には人間が手枷を付けられてぐったりしていた。


「大丈夫ですか!?しっかりして下さい!」


 身体を揺さぶると苦しそうに声を出した。よかったまだ生きてる、3人は息があるな。残りは…返事がない、すでに息絶えているようだ。


【戦闘をするからにはこの者たちを連れて行くのは不可能だが、しかし無視もできない。誰かが来てくれると助かるんだが…】

「でも結構降りて来たよ?他の冒険者も中盤で足止めされてたし期待はしない方がいい。置いていくしかないか…」


 残酷だけど、今はそうするしかない。勇者だって万能じゃない。せめて自分以外を脱出させられる呪文があれば…

 あれ、風の流れが変わった?誰かが来てるみたいだ。1人みたいだけど…


「イロアス!?貴殿は町に戻ったんじゃなかったのか?」


 来たのはファングだった。


「ここまで来てたんだ!というか速くない?」

「拙者はサメでバトルマスターだ、人間とは力が違う。むっ、その者たちは…」

「ここに捕まってたんだ。いつからかは知らないけどぐったりしてる。頼めるかな?」

「任せろ。だが貴殿はどうする?」

「…先に進むよ、後は頼んだ。」


 ファングは静かにうなづいてそれを見届けた僕は洞窟の更に奥へ進んだ。


「これ以上誰も犠牲にさせはしない!」


 今まで以上に決意を固めて僕は洞窟を駆けた。


ーー

 状態変化【勇気】が付与された!

ーー

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