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転生したら勇者なドラゴンでした(α版)  作者: ふらあま
A NEW LEGEND
57/99

56.逃走せよ

 ハンターは一人。フィールドは縦横無尽な住宅街だから上手く撒けば逃げ切れるはず!


(傷は大丈夫かい?)

「大丈夫、気にするほどじゃない。」


 屋根の上を飛び移りながら答えた。サメのヤツも追いかけてきている、かなり素早い身のこなしだ。


「待て!」

(埒が明かねえ!相棒替われ!)


 ムーンは僕にのりうつって裏路地の物陰に隠れた。


「そこか!」

(やべっ!)


 氷の刃が降ってきたから避けた。


【何故だ?ムーンは特殊効果によって気配は感じ取れないはずだ。情報が欲しいな、勇者よ奴を見破れ。】


「【みやぶる】っ!」


ーー

【シャーク・ヒューマ】

 HP80%以上

 状態変化 イロアスに怒り

ーー


 シャークってことはやっぱりサメだ。

 サメってことは…僕がこうしてムーンは実体を出して…よしこれなら欺けるかも。

 ムーン、作戦できたよ。

(流石だね、どうするんだい?)


(なるほど…分かった。)



「くっ…どこに行った?」


 しめしめ、僕の予想大当たり!今がチャンスだ!


(【捕縛呪文】っ!)


 ムーンが物影から捕縛呪文でサメくんを捕らえた。


「うおっ!?」

「よし、作戦成功っ!」

(何で場所が分からなくなったんだ?答えろ。)


 ムーン、理由がわからないからって詰めよるのはやめた方がいいよ。


「…匂いが辿れなくなったんだ。」

(どういうことだい?相棒。)

「サメは血の匂いに敏感なんだ。だいたい600m離れてても感じ取れるくらいにね。君は外套に付着した僕の血の匂いを追いかけてると思って外套を捨てると一緒に傷を治したんだ。そうすれば分からなくなると思って外套の近くで隠れて、君を待ってたってワケ。」


 小さい頃は本が好きだったからいつか役に立つと思ってたけど、転生して役に立つとは思わなかった。


「なるほど、よく分からん。」

(あんたのことだろ…)

「あははは…」


 自分にとって当たり前のことだから気にしたことがないんだろう。


(で!あんたは何であたいたちを襲ったんだい?返答次第じゃあんたを消すけど?どうなんだい?)

「拙者はそのスカーフの持ち主。貴様が物取りではないかと思ってな。ついカッとなってしまった。」

「あー…それはごめん。こっちも急なことで動揺しちゃって…」


 僕は頭を下げて謝るとサメくんは目を丸くして驚いていた。


(悪かったな疑っちまって。立てるかい?)


 ムーンは捕縛呪文を解除してサメくんに手を伸ばした。


「大丈夫だ、気にするな。」

(あたいはムーン、こいつがイロアスだ。あんたは?)

「ファングだ、アグリア・ファング。」

(そうかい覚えとくよ。じゃあまたいつか会おう。)


 ムーンと僕は町に戻った。


「相棒、ついでに気になることがあるから行きたい所があるんだ。ついてきてくれ。」




 ムーンについていくとそこはさっき行った道具屋だった。

 2階に行こうと言うので裏路地から飛んでベランダに降りた。

 ベランダからしぶしぶ部屋に入るとそこにはあの女の人が縛られていた。


「んー!んー!」

「大丈夫ですか!?」


 自分はすぐに女の人を縛っていた紐を切った。


「ああ、ドラゴンさん私をまた助けに来てくれたんですね。」

(何があったんだい?)

「お店の中を掃除していたら誰かが襲ってきて、気がついたら縛られていて…」

(やっぱりだったか。)

「どういうことなんだムーン?」


 ムーンによれば【勇者の相棒】で見えた未来にこの女の人が魔物になって襲われるというのが見えたらしい。

 人間にそんな力はないから魔物が変身していると考えたムーンはそれを確証にする証拠を探しに来たんだ。


「絶対にバレない術式だったのに、なぜ気づいたの。」

(あちこち探して勘付かれる手間が省けた。生憎とあたいはそういうのに鋭いんでね。)

「まあ、あなたたちは死ぬからそんなこと関係ないねどね。」


 そいつの姿が歪に変わっていって虎みたいな魔物になった。その間に女の人を部屋から逃がした。


「貴様らは絶対に逃がさん!我が計画を邪魔した罪は重い!」

(こっちは準備オーケーだそっちはどうだい、相棒。)

「ああムーン、いつでも行けるよ。」

「(さあ、お前の罪を数えろ!!)」


「グオオオオッッッッ!!!!」


ーー

【トランスパンサー】があらわれた!

【コマンド?】

ーー


▽たたかう


 早速爪で斬りかかってきたのでギリギリでかわして腹を斬った。


(そらそら!懐ががら空きだよ!)


 目に見える攻撃をひらりひらりとかわして何度も何度も攻撃を当てた。


【奴は【変化呪文】が得意なだけのハリボテだな。長時間の戦闘は不要、早々に決めてしまえ。】

「よし、ならこいつだ。」

(これで決まりだ!れんけいしんか『スピード』!)


 僕はアイスに超進化してムーン僕に入ってスピードにれんけいしんかした。


「高速フローズンフィーバー!」


 高速で氷の礫を何度も投げつけて最後に高速回転して尻尾を叩きつけてフィニッシュ!


ーー

【トランスパンサー】をたおした!

 8000Pの経験値と2000Tをかくとく!

 イロアスはレベルがあがった!

ーー


 今回はいつもの敵より張り合いがなかったなー。


(まあ、ここら辺の魔物はこんな強さだってことだ。あんたはイレギュラーに慣れすぎたんだ。)

「あはは…それはかなり自覚してるよ…」

【そう言えば、日が沈みかけている。当初の目的であるクエストはどうした?】


 あー…今回は忙しかったのでなかったことに。


(仕方ねえ、今回は収入ナシだから宿屋はお預けだな。)


 とほほ…

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