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転生したら勇者なドラゴンでした(α版)  作者: ふらあま
A NEW LEGEND
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55.慌ただしい日

「今日は買い物にいらっしゃったのですよね?でしたら私も仕事をしないと…今日はどういったご用件で?」

「状態変化を回復するどうぐと魔力を回復するポーションが欲しいんですが…」


 僕が欲しい物を言うとその人は店を回って商品を取ってきてくれた。


「状態変化回復のどうぐ各種2つに魔力のシロップ2つで計で1万420トールになります!」


 あれ?そう言えば自分ってお金持ってたっけ?


【心配無用だ。我らの所持金は16万8469トールだ。しかし、使い道はよく考えねばすぐになくなる。】


 僕は懐にふくろの魔方陣を出してお金を引き出し、支払った。


「はい確かに。お買い上げありがとございました!またのお越しをお待ちしています!」

【所持金は15万8049トールだ。】


 後で買った道具の整理をしよう。僕は店を後にした。


(むう…)

「どうしたのムーン、コマンドみたいなこと言って。」

(さっき見えた未来のことが少し気になってな。あんたが死ぬような未来じゃねえけど、国が滅ぶ可能性があるからな。少し気にした方がいいかなって思ってな。)


 それって大分ヤバいよね?もっと真剣に考えた方がいいよ!


(まあ見た感じ次に会うときには分かるだろうし、そのときに判断しよう。)


 言い回し的に危険な未来なんだろう。けど気にすればブッ飛ばされるし、何も聞かないで置こう。きっとムーンにも考えがあるはずだ。そのときに対処できるように僕も心構えぐらいしておこう。

 そうだ、折角冒険者になったんだしどんなクエストがあるのか見に行こうかな?

 自分はムーンのことを気にしながら再び酒場に向かった。


「おいおい、納品した鑑定額がこれだけってぼったくってんじゃあないだろうな?こんだけじゃ信用なくすぜえ?」

「あのドラゴンは角は折れて鱗はズタズタだった。凄まじく状態が悪かったんだ、これでも最高値なんだ。しかもこの受け付けは鑑定額についての文句は受け付けてない。そんなことより今日の宿でも探してきたら?」


 メイさんがガラの悪そうな奴らと口論になっていた。どうやら鑑定額が気にくわなかったらしい。


「ムーン止める?」

(様子を見ろ、手え出したらこっちの勝ちだ。)


 つまり攻撃的行動をしたら止めに入れってことだな。


「いつまでもいい子ぶってんじゃねえよ!」


 大柄な男はメイさんに向かって斧を振り上げた。


「きゃあっ!」

「今だ!」


ーー

 チャンス!

 CLOCK

ーー


 自分は周りの人の間をすり抜けてスペロクリスタを叩き砕いて腰に出てきた剣を手に持って斧を受け止めた。


ーー

 CLOCK OUT

ーー


 その瞬間にチャンスアップが切れた。チャンスアップはある程度の衝撃で切れるらしい。


「なっ!?誰だ!」

「通りすがりの戦士だ。やあっ!」

「ぐあっ!」


 強そうなのは見た目だけらしい。僕が普通に蹴ったらかなり飛んでいった。


「この野郎!よくもリーダーを!」

「ぶっ殺してやる!」


 こいつらはこのデカイ奴の取り巻きらしい。ちょっと驚かせてやるか。


「【冷たい息】!があああっ!!!」

「ひ、ひいいい!!!」

「冷てえ!!」


 被害が少ないように息で取り巻きの足元を凍らせた。

 変身を解除してムーンと交代しよう。


(あいよ。エモノを抜いたってことは命を賭けたって解釈でいいんだろ?)

「うん。」

(てめえら、自分がしたことに責任を持てよ。【範囲幻惑呪文】。)


 ムーンが呪文を当てた瞬間、その男たちは泡を吹いて倒れた。


「ムーン!?どんな幻を見せたの?」

(あたいがちょっと恐怖を感じるくらいの幻だよ。)


 それはきっと人間にとっては死んだも同然な幻だろうね。

 周りの目もあったし、やりすぎたかな?


「すげえよにいちゃん!ちっさいのにそんな力を持ってるんだな!」

「俺たちは見てたから大丈夫だ!衛兵たちにはこいつらが悪いって言っておくから安心しろ。」

「ありがとうスペロ、やっぱり君は強いね。後は任せてここを離れて。オーナーにも私から説明しておく。」


 僕はありがとうと言ってその場を離れた。


「ちょっとやりすぎだったと思うよ?」

(誰も殺してないだろ?普通なら首を飛ばしてもよかった。ここはそういう世界だからね。)


 そっか、僕らの世界でも戦争の時代や戦乱のときは自らの命をなげうってでも自分たちの勝利を掴もうとした。

 僕は今、誰かに命を狙われているかもしれない。誰かがこの町を壊そうとしているかもしれない。そんな世界にいるんだ。

 誰かが…いや、僕だけがこの世界を変えられるんだ。早くなんとかしないと…

 ふと、人混みの中で足元を見ると何かが落ちていた。拾ってみるとバンダナのような布だった。


【ふむ、それは【海風のバンダナ】装備者を素早くするバンダナだ。しかもこの柄は遠い東のネロ大陸特有のものだ。フラーマ大陸のこの町に流通しているものではない。一体なぜ…】

「いたっ!?」

(ちいっ、れんけいしんか!スピード!)


ーー

 WEAK UP YOUR SPEED!

ーー


「加速だっ!」


後ろからこっち飛んできた氷の針を避けられず当たってしまった。

 すぐにムーンに呼びかけてられてスピードにれんけいしんかした。


ーー

 TRY YOUR FULL SPEED!

ーー


 加速して近くの屋根の上まで飛んだ。魔力の跡を辿るとサメのような見た目の獣人がいた。まだこちらを見据えている。


(追っかけられるなら逃げろ。)

「了解。」

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