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転生したら勇者なドラゴンでした(α版)  作者: ふらあま
A NEW LEGEND
48/99

47.この世界をお前に…

ーー

 エクサがあらわれた!

【コマンド?】

ーー


▽たたかう


 自分とヨクトは走ってエクサの間合いを詰めた。ヨクトはそのまま正面から斬りかかってエクサの手を弾いた。その瞬間に刀が折れてしまった。かなり激しく打ち合っていたので仕方ないだろう。自分はタイミングをずらして前に飛び、エクサを爪で切り裂いた。

 エクサが苦し紛れに【終末呪文】を周囲に放ったので距離を取った。それでも当たりそうになって【火炎の息】を吐いて相殺した。

 爆発の黒煙の中から何かが来そうな気配がしたので【飛翔】で飛距離を稼いで勇気を多めに溜めた。


ーー

 BRAVERY CHARGE

 15% COMPLETE!

ーー

 20%まで溜めようと思ったけど、使い過ぎると後がもたないので15%で止めた。勇気の量は元が70%だから10%を二回打って…残り35%ってことか。

 自分は【投影】を使って影を残した。それを狙ったエクサの攻撃は空を切った。


「我が拳をくらえ【エンドインパクト】!はあっ!」

 ヨクトは折れた刀を鞘に納めてナックルを装備した。


「【マイティアタック】僕たちのれんけい!【クリムゾンエンド】!」

 自分の思うイメージが強く反映されたのか赤い円錐が現れてそれに飛び込んでエクサを突き抜けた。それに合わせてヨクトが黒い魔力を纏った拳で殴った。


[そうかこれが…貴様が言うこの世界の希望の力か…ぐああああっ!!!]

 竜の紋章がエクサの胸で光ると黒い障気に包まれて消えた。

 その障気から何かが空に向かって放たれ、空に穴を開けた。そこから見えた景色はまさに地獄だった。

 その穴からは空を埋め尽くすほどの終族があらわれた。


(おいおいマジかよ!あんな奴ら、あたいらじゃどうにもならねえ!)

 さすがのムーンでも頭を抱えた。どうする?


[…勇者よ、我々の冒険はここで終わりだ。]

「えっどうして?」

(今のあたいたちじゃ奴らには勝てない。確実に全滅する。ああ、こんなことだったらあたいももっと魂を集めておけば…)

 魂を集める?一体どういうことだろう?


[お前にこれを預ける。]

 自分はヨクトに赤い宝石と刀を渡された。


「これって【終末化の結晶】!?あのときに砕け散ったんじゃ…」

[【終末化の結晶】は我が生きる上での副産物だ。お前と出会ってからは2つしか作れなかったがな。きっとお前の役に立つハズだ。後は頼んだぞ、勇気ある者よ。]

 ヨクトは空に飛ぼうと翼を広げた。


「待てヨクト!自分だけを犠牲にしても無意味だ!僕も行く!」

 自分はヨクトを追いかけようとしたが、体が動かなかった。


(相棒、覚悟を決めたヤツの背中は追いかけるもんじゃねえ!)

 ムーン!僕は誰にも死んでほしくないんだ!そのためにやっと進化までしたのに…


[我のステージは我が飾るものだ。主演が目立たなくてどうする?案ずるな、我が終わってもお前が主演のステージは続く。この世界という大舞台でな!]

 ヨクトはそう言って笑うと飛んで行った。その背中は都会の夜空でも強く輝く一番星のように見えた。


[我の終焉とくと見よ!…さらばだ。


 この世界をお前に託す。]


[【極大終焉呪文】。]




 ヨクトが呪文を唱えると闇も敵も音も全てを呑み込んだ。自分たちは呑み込まれないように踏ん張るのに精一杯だった。

 ムーンはその中で一匹、ヨクトの居た場所に飛んで行った。しばらくすると呪文の効力が無くなって町に静けさが戻った。


ーー

 ムーンからコールが来ました。

 応答しますか?

ーー

 ムーンから連絡だ。出ないと…


▽はい


(相棒、聞こえるか?やっぱりヨクトは自分の命を犠牲にしたみたいだな。あれだけの呪文だ、遺品すら残らなかった。…しっかしまあ、奴らは切り札を残してたみたいだけどね。)

 空を見上げると穴は消えていたがまだ終族の気配を感じ取れた。


「そんな…あいつが、ヨクトが命まで賭けたあれを生き残るなんて…」


(折角できた仲間だったってのに…ようやく世界との歯車が回り始めたってのに…)


(「絶対に許せない!」)


ーー

 同調率 120% OVER READING!

固有スキル【覚醒】が使用可能になった!

ーー


(「同調!!」)

 自分とムーンは一つになってブリザードドラゴンに超進化した。同時に【覚醒】が使えるようになった。


【勇者たちよ【覚醒】を使ってみるといい。】


(「分かった。」)

 僕たちは【覚醒】を自分に使った。


ーー

 しかし、今の強さでは限界を超えられなかった…

ーー

 何度やってもこの文章しか出なかった。


【ふむ、どうやら純粋にレベルが足りないみたいだな。では…】


 自分はブレスとアイスのところに向かった。


(「ブレス、アイス、ちょっとくすぐったいぞ!」)

 自分たちはブレスとアイスの背中を叩いた。


「ひゃあっ!」


「なにすんのさ!」

 二人に風と冷気の力が集まって姿が変わった。


ーー

 勇気を20%消費した。

 ブレスはブラスタードラゴンに変身した!

 アイスはエンペラードラゴンに変身した!

ーー

【覚醒】は勇気を使ってドラゴン本来の力を呼び覚ますものらしい。

 ブレスは常に風を纏って少し浮いていて風神みたいだ。

 アイスは周囲に氷の礫が浮いていて透明な氷のマントを羽織って皇帝みたいだ。


「すごい力を感じるー。」


「これが僕なのか…」

 ブレスもアイスも覚醒した自分の姿に驚いていた。ブレスは驚いてるか表情じゃ分からないけど。


「驚いてるところに水を差すようだけど、奴らをどうにかするわよ!」

 アクアはその場で魔方陣を展開した。大きな呪文を使うみたいだ。それに合わせて自分たちも上空に飛び上がった。


「行くよ、僕らのとっておき!【ブラスターエクストリーム】!」


「うん!【エンペラーフィーバー】!」

 ブレスとアイスの力が合わさった凄まじい吹雪が空高く舞い上がった。


「【大台風呪文】【カケ】【大吹雪呪文】ええいっ!【大大台吹風雪呪文】!」

 アクアの吹雪はいつもの合成呪文とは比べ物にならないほど凄まじい威力だった。アクアは呪文を打つとその場に倒れてしまった。あれだけの威力の呪文を一人で打ったんだ、倒れても仕方ないだろう。これが終わったら何か甘いものでも買えたらいいんだけど…

 おっと、今は集中だ!


ーー

 EREMENT OVER CHARGE

 150% FULL BREAK!

ーー


(「【ブリザードフィニッシュ】!」)

 エレメントチャージを溜めて、みんなの吹雪に重ねるように放った。



 凄まじい吹雪は終わりもたらす者たちを呑み込み、跡形もなく消し去った。

 勇者と相棒は限界を越えた同調の大きな力に耐えきれず倒れてしまった…

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