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転生したら勇者なドラゴンでした(α版)  作者: ふらあま
A NEW LEGEND
45/99

44.決めろ封殺の蹴り

「だあっ!はあっ!だりゃっ!」


 ツメや尻尾の斬撃で攻撃するとさっきより力強い一撃になった。これが進化の力…!


ーー

【マイティアタック】(攻撃)

 攻撃が戦士のような力強い一撃になる。

 とくぎ【しっぽストライク】と【てつのツメ】が固有スキル【マイティドラゴン】の効果により変化した。

ーー

 力がみなぎる…!


(能力に頼り過ぎるなよ。失ったときのことも考えろ。)


 分かってるさ!今はやれるだけのことをやるだけだ!


「よし、【超進化】!」


 鱗が水色に染まってアイスに【超進化】した。今までとは違って氷の力を身体の奥深くで感じた。

 そのまま冷気を放つと終属は凍り漬けになった。自分はその隙にアイスを連れて外へ逃げた。扉から飛び出すと近くに川があったので飛んで向かった。

 川の近くでアイスを降ろすと教会から更に気配が強くなった。感じからして怒ってるみたいだな。


「勇者、あなたを信じる。だからあいつをたおして!」


 アイスから熱い期待を感じる。自分はアイスにサムズアップをして決意を胸に教会に向かった。

 教会に向かう道中でさっきのギガデーモンが攻撃をしてきた。氷を溶かして来たんだろう。炎を放ってきたのでマイティに戻って呪文で弾き返した。近づいて勇気を流し込もうとすると、地面から出てきた糸に絡め取られてしまった。


(【捕縛呪文】か、やられた!)


 糸を振り解くとしたが、締め付けが強く、糸も丈夫でなかなか千切れなかった。


「くうううう…」


 ギガデーモンがツメを構えて、自分の喉をひと突きで殺そうとした。

 そう簡単に殺られてたまるか!

 自分は寸でのところで糸を千切ってツメをよけた。そのままデーモンを蹴って間合いを取った。


ーー

 BRAVERY CHARGE

 10% COMPLETE!

ーー

 間合いを一気に詰めて勇気を込めた蹴りを胸に撃ち込んだ。

 しばらく経つと蹴ったところにドラゴンっぽい紋章が浮かび上がって、デーモンが苦しみながら爆発した。あまりに突然の出来事に炎を見ながら呆然と立ち尽くした。


ーー

 ギガデーモン・邪をたおした!

 5092Pの経験値と2015Tをかくとく!

 勇者はレベルがあがった!

 ギガデーモン・邪は宝箱を落としていった!

【魔力鉱石】を3こ手に入れた!

ーー


(…やったな相棒。目的は果たした、町に行くぞ。)

「相変わらすストイックだね。分かったよ。」


 自分は町に走りだそうとした。


「待って勇者!」


 アイスに呼び止められた。


「…ありがとう助けてくれて。町にブレスも行ってるの?ボクも行く。足手まといにはならないから。」


 アイスはきっと、自分のせいで終属を呼び寄せてしまったことを負い目に感じているんだろう。そんなことないだろうに…

 でもアイスは襲撃を受けてすでにボロボロだ。傷は回復したけど、それでも無茶をしているのは目に見えて分かる。ここは安静にさせた方がいいかもしれないけど、アイスは言うことを聞かないだろう。


「…アイス、君はもうボロボロなんだ。それは君が一番分かってるはず。力を使って君が倒れてしまうのは確実だろう。」

「そっか…」

「だから、町のみんなをここまで誘導してほしい。なるべく被害を少なくするためにもここまでの逃げ道を切り開いてくれ。」

「ありがとう、善処する。」


 自分たちは町に急いで向かった。

 町に着いてまず見えたのは、消火されてまだ黒煙が立ち上っている家の跡地だった。


(あいつら、大分頑張ったみたいだな。)

「うん、やっぱりすごいや。」

「ボクはここで町の住人たちの避難誘導をするわ。勇者くんたちは終属を倒してきて。ここは必ず死守するから安心して。」


 自分は後ろをアイスに任せて町の中心に向かった。

 道中で襲ってきたのは魔物だったので全部ブッ飛ばした。


(この『スタンピード』はやっぱり魔物と終属が結託してたみたいだな。)


 スタンピード?


ーー

【スタンピード】(情報)

 魔物、又は終属が群れを成して町や村などを襲撃することの総称。

 特定の種族のみの場合、その種族の名前が『スタンピード』の前に付く。

ーー

 名前があるってことはそう言うことが何度も起こってるってことだ。この世界はもうそんなところまで魔物に支配されてるのか…


(感傷に浸ってる場合か!さっさと…)

「キャーーー!!!!誰かーーー!!!!」


 西から声が聞こえた。女の人の声だな。


(ちいっ!急ぐぞ!)


 自分は声のした方に急いだ。


「ドラゴンがーー!おたすけーー!!!」


 思いっきりズッこけてしまった。


(あたいたちの方かよ!でもまて、こいつ…)


 よく見ると足が瓦礫に挟まれていた。自分はすぐに瓦礫を退けて足に応急措置を施した。


「あ…ありがとうございます。」


 彼女がそう言うと町の外れから風と氷が入り乱れているのが見えた。早く行かないと!


「あっちに行けば安全だから!」


 自分はアイスがいる方向を指差してそのまま町の外れに向かった。


「あのドラゴン、すごく優しかった…」



【できたぞ。】

「なにができたの?前に言ってた試作品の剣?」

【いや、それよりもっと良い物だ。しかし、ブレスの力が必要だ。完成はこの戦いが終わった後だろう。】

「そっか、楽しみにしとくよ。」


 敵が見えてきた。見たところドラゴンらしい。


ーー

 BRAVERY CHARGE

 10% COMPLETE!

ーー

 勇気を後ろ足に込めて飛び上がって蹴った。


「勇者様!遅いわよ!」

「ごめん、思ったより時間がかかった!ヨクトたちは?」

「謝るなら、こいつを倒してからにしてよね。ヨクトたちは町の消火をしてるわ。で、アイスは?」

(ケガがひどいから避難誘導させてる。あんまり無茶しないようにって釘は刺したよ。それとブレス、コマンドがあんたに用があるってよ。)

【おい。】


 ムーン…まあらしいと言えばらしいけど、強引だなあ…


「あいつ、勇者様が蹴ってから動きが鈍くなってるわ!一気に攻めましょう!」


 自分とムーンもドラゴンに立ち向かった。


【ブレス、なにも言わずにこれに力を込めるんだ。】


 魔方陣から透明な水晶が飛び出てブレスは水晶を受け取った。ブレスは怪しいと思いながらも力を込めた。


ーー

 質量保管術式インストール…完了

 質量還元術式インストール…完了

 勇気を20%インポート…完了

 収納可能装備量…5

【ただのクリスタ】が【スペロクリスタ】に変化した!

ーー

 クリスタ?コマンドは何を作ったんだろう?いいや気にするな、今は敵を倒すことに専念しろ!


「ムーン、れんけいしんかだ!」

(れんけいしんか『スピード』!)


 自分たちはスピードにれんけいしんかした。


ーー

 WEAK UP YOUR SPEED!

ーー

 あれ?制限時間がない?


(おっ、更に強化ができそうだな。)


 進化したことで強い力に耐えられるようになったんだろう。蹴っても殴っても走っても全然疲れない。ちょっとだけ挑戦しよう加速だ!


ーー

 TRY YOUR FULL SPEED!

ーー


「【スピードラッシュ】だだだだだだだだっ!!!!」


 一瞬で50回くらい斬れた。けど、ドラゴンが止まる気配がない。何でた?


(こいつ、ただのドラゴンじゃねえな。ここは…あたいの出番だな。)

「えっ?」


 その瞬間、身体の自由が効かなくなった。

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