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転生したら勇者なドラゴンでした(α版)  作者: ふらあま
A NEW HERO
33/99

33.【継続回復呪文】

「ムーン、起きてる?…やっぱりダメか…」


 あの後、自分とムーンはまた大怪我したことをアクアとブレスにこっぴどく怒られた。傷の療養のために3日ほど安静するように言われた。しばらくは腕が鈍らないようにしないと。今は助けた人間たちの回復を促すために【継続回復呪文】をかけている。

 本来は使えないけどムーンが…

(眠いから貸してやる。起きたら返せ。)


 と言って寝てしまった。しかし、ここで問題が起こった。


 呪文の使い方が分からないんだ。


 どうしよう、これじゃあ、みんなに冷ややかな目で見られてしまう!考えろ!いや考えるな!感じろ!こういうときは落ち着いて素数を数えるんだ。2!3!5!7!11!13!


【お前が一番落ち着いてないぞ。】

「ヘイコマンド、【継続回復呪文】の使い方教えて。」

【ふむ、ならば『詠唱』を挟んでみるのはどうだろうか。】


 詠唱?詠唱ってもしかして…


【通常、呪文を使うときは詠唱を挟むんだ。ドラゴンは長生きしたり、転生で記憶を継承したりすることで呪文を発達させた。お前が詠唱無しで呪文を使えたのは我の魂があったからこそだ。だが、我は【継続回復呪文】は不要だと判断して覚えなかったのだ。しかし、詠唱を挟めばどんな呪文も使えるだろう。詠唱はー】

 自分はコマンドに詠唱のやり方を教えてもらった。



「げえっ、そんなこと言うの?中二病くさーい。」


【この世界では常識だ。何ら恥ずかしいこともない。さあ、冷ややかな目を浴びない内に早くした方が良い。】

 何も考えるな!これは常識これは常識これは常識!

 奴隷商人に前足をかざした。


「癒しを司る神々よ、この傷つきし者に継続する治癒を与えよ!【継続回復呪文】!」


ーーーー

 勇者は【継続回復呪文】をとなえた!

 HPが徐々に回復!

ーーーー

 びっくりした。急にコマンドがでてきた。今までそんなこと一度も無かったのに。あれ?そうでもないか。

 なんにせよ成功した。この調子で他のみんなも…


「あーっ、そうか。」

【どうした?】

「またあの詠唱をしないといけないのか…こころがしんどい。」

【…まあ、頑張れ。】



 全く寝つけず、気がつけば、朝になっていた。


(ふあ~っと、よく寝た。ん?どうした相棒?)

「大丈夫だ問題ない。」

(…そう言うなら何も言わねえけどよ、困ったら言えよ?あたいは相棒なんだからよ。)


 ふう、元の世界じゃなくてよかったよ…


「じゃあさ!呪文教えてよ!」


 これから、あの赤いドラゴンみたいに強いヤツはごまんといる。その強さに対抗するには力も知識も付けないといけない。とくぎは【新技をあみだす】でなんとかなるとして、魔法は全然だからなんとか覚えないと。


(だ・め・だ、まずそれ以前の問題だろ。)


 それ以前の問題?


(レベルだ。レベルが低すぎるんだ、今のスキルなしで覚えてる呪文やとくぎがあんたの身体は合ってるものだ。強すぎる呪文やとくぎを使いすぎると身体が耐えきれず死んじまう。だからダメだ。その代わり、固有スキル【竜飛翔】の習得特訓するぞ。飛べないドラゴンはただのドラゴンじゃねえけど、翼があるんだからせめて【飛翔】は覚えろ。なぁ?)


 あっ、これは死んだ。この左の口角を上げる笑顔には見覚えがある。これは何かを企んでる顔だ。ヤベーイ!


 こんにちは皆様、勇者です。飛び始めて3時間が経過、ただいまこちらの空は雲もそれほどなく、晴天が続いています。気温は夏くらい、湿度もちょうどいいです。ただ、僕の体温は60度を越えています。これだけは言わせて下さい。


「助けてええええ!!!!」

(おー、まだまだいけるぞー。あきらめんな風を感じろ、もっと、もっとだ、もっと熱くなれよー。)

「ムーン、その言葉を言うならもっと熱く応援してよ。」


 やる気のない応援を受けながら羽ばたき続けた…


(まだいけるな、ついでにブレスから属性竜の力の使い方も教えてもらえ。)


 と言うと遠くから緑色の影が飛んできた。ひええ、救いはないのか…地獄の特訓は夕方まで続いた…


ーーーー

 固有スキル【かっくう】が【飛翔】に変化した!

 特殊スキル【同時進行】を覚えた!

 特殊スキル【風を感じる】が【風を知る】に変化した!効果が強化された!

ーーーー


(まあ、1日でこれなら上出来だ。)


 もう無理です。限界の更に向こうに行っちゃったからもう全身ボロボロです。安静にしないといけないのに…


(まあ、このくらいの無茶は日常茶飯事だろ。帰るよ、さっさと起きな。)

「無理です、1mmも動けません。」


 尻尾もピクリとも動きません。


【勇者の疲労度は120%。【極限に挑む】の効果で辛うじて生きているがこれ以上動かすのは危険だ。】

(チッ、分かったよ。)


 そう言うとムーンは面倒くさそうに実体を出して僕を背負った。

 ブレスに任せてもいいのにどうして?


(あんたの背中を任せて良いのはあたいだけだ。)

「信用ないみたいで悲しいよー。」


 その時のブレスは可愛く見えた。


(特異点なんだしこれくらい耐えないとな?)


 特異点?ダメだ全く話についていけない。


(特異点ってのは色々な属性を使えるヤツのことだ。前世の行動によって決められる属性が何かおかしくなったヤツがなるらしい。前世で変なことしたとか?)

「うん、確かにしてたわ。」


 自分って変わってるってよくいわれてたし。1人のときは妄想したりとか仮面なライダーの変身ポーズ取ったりとかしてたな。


(あるのかよ。)

 素直にツッコまれた。

先週の投稿が一日の閲覧数最高記録を更新しました!本当にありがとうございます!

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