表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら勇者なドラゴンでした(α版)  作者: ふらあま
A NEW HERO
29/99

29.大ピンチだ!

 ブレスによるとかなり近づいてきてるらしい。

 あとは街道に出られば町に着けると思うけど…


(むっ、あっちで何やら騒がしい…!)

 ムーンが自分にのりうつらずに飛んで行ってしまった。

 あっ!ムーン待って!


「私たちも追いかけましょう!」

 自分たちもムーンが行った方向に走った。


【ほど近いところで命が消えた。大きな気配は殺気をまき散らしている。その周囲にはいくつかの小さな気配がある。どれも怯え逃げまとっている様だ。ムーンによると大きな気配はドラゴンだ。今すぐに向かおう。】

 分かった、たとえその気配が魔物でも命は助けたいし。

 自分たちはムーンを追いかけた。


「ムーン!やっと追いつい…」


(静かにしろ!あいつにバレちまう。)

 実体のあるムーンに口を抑えられて言葉を止められてしまった。

 口を押さえられながら茂みの向こうを見ると


 人間が5メートル越えのドラゴンに襲われていた。


 近くには馬車が倒れていたが馬っぽい奴らの姿はなかった。きっと驚いて逃げたんだろう。

 ボロきれを纏った人間や猫耳や犬の耳がある人間も倒れてたり襲われたりしていた。きっと奴隷だろう。奴隷商みたいな奴らはすでに殺されたり逃げたりして姿はなかった。


 自分はすぐに茂みから飛び出そうとしたが、ムーンに止められてしまった。


(構うな、あいつは終王の呪いにかかってる。あたいらがほっといても勝手に死ぬ。)


「どういうこと?」


「終王の呪いはー世界を憎む心が大きくふくれ上がるとかかるんだー。呪いにかかった生物はー魔物になってしまう。そしてー周りの全てのものを破壊し尽くすまでー止まれないんだー。」

 のんきに聞こえるブレスの言葉もその奥に静かな怒りの唸り声が聞こえてきた。

 ほっといたら被害が拡大する。なるべく被害が広がらないように結界とか張って置いて…!


 そのドラゴンの目を見たとき、気がついたら飛び出していた。助けを求められている。そんな気がしたから。

 誰かに背中を押された気もした。

 ドラゴンの足元を【つめたい息】で凍らせて動けなくした。【コマンド?】あいつは?


【種族名はフレイドラゴン。炎のブレスを使うことに長けている。その炎は鉄をも溶かすらしい。実際、そのような炎はないらしいがな。】

 情報は間違っていることもある。とにかく今は…ぐはっ!

 氷を砕いた前足で叩き飛ばされ木に背中をぶつけた。


【今のは【ふきとばす】だ大丈夫か?HPの約30%が減ったぞ。】

 だいじょばないよ…けっこうキツいというか、ヤバい。

 ドラゴンが自分めがけて爪を振り上げていた。

 ああ、自分の人生…いや竜生。短かったなあ…


(【のりうつる】っ!そう簡単に死なれちゃこっちも困るんだよ!依頼とか世界とか今後の兼ね合いもあるんだからな!)


「〖トルナード・アメイズ〗!」


「【旋風呪文】【カケ】【旋風呪文】ええいっ!【集束旋風呪文】!」

 ムーンが自分にのりうつってドラゴンのこうげきをよけた。

 そこにブレスとアクアが風系の呪文でドラゴンを打ち上げた。

 ブレスもムーンもアクアもみんな戦ってくれていた。


「勇者様!ボサッとしてないであなたも早く戦って!抑えてるのにも限界があるから!」

【のりうつる】が解除された身体を起こして構える。

 炎には相性的に氷は効くのかな?


【氷は水と捉えればいい。氷は炎に相性バツグンだからな。】

 分かった。できるか分からないけど、できる気がする!


「超進化!」

 構えるとアイスドラゴンになった。この前みたいに力は湧いてこないけど、冷気は感じる。

 飛び上がって【こおりの息】を吐く。

 翼や尻尾などのやっかいな部位を集中的に凍らせた。

 これはあくまでも挑発でしかない。注意をこちらに引きつけてみんなを逃がすためだ。


「アクア!人間を逃がして!多少強引でもいいから!」


「分かったわ!【強制移動呪文】!」

 奴隷っぽい子たちが光に包まれてある場所に飛ばされた。

 多少強引でもいいとは言ったけど、かなり強引だね。

 でも、これで心置きなく戦える!


 ドラゴンが炎を吐いた。相殺できるほどの力はないのでよ避ける。ドラゴンはこっちを見ているのでまだ狙いを外してないんだろう。近くにあった岩を登って【かっくう】してドラゴンの頭上を渡った。ドラゴンは炎を吐いて打ち落とそうとするが。自分にかすりもしなかった。そうしている内にブレスとアクアの詠唱も終わったみたいだ。速度を上げてドラゴンから離れた。


「くらえー僕のとっておきー!〖ストームエクストリーム〗ー!!」


「反動なんて関係ない!くらいなさい!【大氷結呪文】【カケ】【大氷結呪文】えええいっ!!【氷結大集束呪文】!!!」

 凄まじい風と激しい氷塊が混ざり合い荒れ狂う吹雪となった。

 やりすぎじゃね?


(これぐらいがちょうどいい。これでぶっ飛ばせて…なあっ!?)

 吹雪が晴れるとドラゴンはほぼ無傷だった。

 あれだけの技を受けて無傷だって!?


【待たせたな、解析ができた。あの呪いは封印しなければ解けない様だ。それも弱点の属性を同時に叩きこまなければならない。奴は炎と土の複合だ。つまり弱点は氷と風だ。】

 でも、さっきはその2つを同時に当てたよね?どうして効かなかったの?


【それはタイミングはバッチリだったんだがブレスの方がわずかに強かったからだ。】

 マジかよ!じゃあどうすればえーとえーと…


(大ピンチだ相棒!)

 思考を張りめぐらせていたが、ムーンの声で現実に戻った。

 ドラゴンがアクアとブレスを狙っていた。

 ヤバい!2匹は大技を使ったから動けないんだ!ムーン、スピードになろう!


(おう!全速力で行くよ!)


ーーーー

WEAK UP YOUR SPEED!

残り60秒

ーーーー

 鱗に赤いラメが入って目に白い炎が灯って走り出す。

 フルスロットルで行くよ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ