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転生したら勇者なドラゴンでした(α版)  作者: ふらあま
A NEW HERO
27/99

27.風との出会い

 …また夢かな?

 真っ暗な空間に居た。そこに、小さな光が見えたので触れてみると、光は視界を真っ白におおった。どこからか声が聞こえた。


〖闇あらばその心を無に帰し氷のごとく闇を止める竜あり。鍵の言葉だよ。これがあれば進化の扉を開くことができる。使い方はキミ次第だよ勇者くん。〗

 またディレクか!ちょまてよ!

 ダメだまた意識が…

 這いつくばって前足を伸ばしたが届かずに気を失った。



 目を開けるとムーンの顔が目の前にあった。

(……………起きたかい相棒?)

 ムーン?どうしたんだ?


(大丈夫か?うなされてたけど、何か悪い夢でも見たのかい?)

 いつものムーンらしくないけど、優しいね。


「いや、またディレクと会ったんだ。最近は眠ってるときによく出てくるからなー。なんか鍵の言葉ってのを教えてもらったんだ。」


「へえー、鍵の言葉をかー。誰の鍵をもらったのー?」

 

「えっと…氷だからアイスのものかな?」

 何気なく質問に返した。

 あれ?なんか聞いたことない声が?


(っ!あんたはブレス!いつの間にここへ!?)

 声のした方へ振り向くと緑の鱗に自分より大きな身体のドラゴンがいた。

 ムーン知ってるの?


(属性竜と呼ばれる7匹の内の1匹、風を司るブレスドラゴンのブレスだ。)

 ブレスドラゴンのブレス。

 そのまんまの名前だな。ディレクはネーミングセンスがないのかな?


「キミは初めましてかなー?僕はキミのことを確かめに来たんだ。」

 自分はキッズドラゴンだから小さいとはいえど、0.7mくらい大きい。ちょっとくやしいな。【コマンド?】


ーーーー

パラメータ


ブレス 【ブレスドラゴンー雄】


Lv:67風使い

H284 100%

M357 100%


状態変化 警戒


風を操り、風を知るとされるドラゴン。風のじゅもんやとくぎを使い、疾風の如く敵を仕留める。風のように自由気ままでどこかにいる。

ーーーー

 ブレスも警戒しているみたいだ。


「確かめる?一体何を?」

 警戒して臨戦態勢をとった。


「キミが悪魔なのかどうかをだよー。あの光を見てキミを探してたんだー。でも途中で友達とはぐれてさー、確かめるついでに一緒に探してもらおうと思ってー。」


「あ、悪魔!?」

 自分って世間じゃそう呼ばれてるのか!?

 じゃあ勇者の存在意義って一体…


「追々話すからー。無茶を承知で頼むよー。」

【ラーの瞳】で確認するとブレスは青く光った。青は真実を表しているから嘘ではないな。


(勇者サン、こんなヤツさっさとケッちまいな。)

 ムーンなら言うと思った。でもここは勇者である自分の意思を貫く!


「いや、そのクエスト引き受けた。」


(ばっ!…何でだよ!あんたこの世界がどれだけ信用ねえか分かんねえのか!?あたいみたいなのが山ほどいるってのにこんなヤツ信じるのか!?)

 ムーンは数々の死線をくぐり抜けて来たから説得力がある。熱弁されてもこの考えを変えるつもりはない。

 ちょっと強引だから気が引けるけどやっぱり自分はブレスを信じたい。


「うん信じる。こんな世界だからこそ自分は力がないといけない。シャインやアイス、ブレスがいるみたいにもっと他の属性のドラゴンもいるはず。情報も仲間も多くて困ることはないからね。会ってみたいんだ、全てのドラゴンに。そしてみんなを繋げたいんだ。自分がみんなの架け橋になればきっとこの世界も救えるはずだから。」

 不可能は可能にする。ないものは作る。自分が前世で学んだことだ。

 かつて世界を支えるために知識と技術で戦った人間たち。この世界じゃ奇跡も同然のことを成し遂げたんだ。

 精一杯足掻いてもがいてみれば自分だって成せるはず。


(…まったく、あんたには負けたよ。何があってもあたいは知らねえからな。)

 ムーンが折れた。…折れたぁ!?

 いやいやいやムーンならもっとこー勝手にしろーみたいなこと言いながらなんだかんだ言って協力するー的な感じだと思ったのにーそんな、そんな感じだと思ったのにー。

 ムーンは最初に会った頃よりもずいぶん丸くなったなあ…


(けど、味方と断定するにはその材料が足りない。あたいがそう簡単に信じると思うなよ。)

 ムーンやっぱりブレてないな。いつも通りで安心した。


「肝に命じておくよー。ちょっとだけだけどよろしくねー。」


ーーーー

 ブレスが一時的に仲間になった!

ーーーー

 なんだかんだあったけど、なんとか次の行き先が決まったな。


「ふあ~おはよう勇者様。あれ?そこにいるのは誰?」

 あっ、アクア忘れてた。

 それを見て、なぜか笑ってしまった。

 それにつられたのかムーンとブレスも笑っていた。


「ちょっと!何?みんなして笑って!」

 アクアに頬を膨らませて怒ったが自分たちの笑い声はしばらく止まなかった。



 かくして勇者たちの冒険は新たな幕を開くのだった。

 7匹のドラゴンの内のブレスとアイスの力は勇者にどんな力を与えるのか。

 まあ、我にはどうでもいいことだ、そんなことは神も知り得ぬ未来のみが知る。

 もうすぐスキルも完成する。今は教えないがな。

 サプライズ?とかいうものをする予定だ。

 ゆっくり次を待つといい。

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