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転生したら勇者なドラゴンでした(α版)  作者: ふらあま
A NEW HERO
26/99

26.竜の導き

付属品なので同時投稿します。

 時は光の柱が世界に轟いた頃に戻る。

 世界各国がその光を見て勇者が目覚めたと歓喜に包まれた。人々はその光を『目覚めの光』と呼んだ。

 それはドラゴンたちも例外ではない。



 ドラゴンには勇者たちと同じように仲間と共に世界を旅する者もいる。

「あれー?アイスどこに行ったんだろー?勇者が居そうな方向に向かおうって言ったのになー。」

 ゆっくりと南東に向かった。

 この緑のドラゴン、ブレスドラゴンのブレスと言う。通称『風来坊のブレス』。

 今、彼は絶讚迷子中である。


「全く、ブレスはどこに行ったんだろうね?いつの間にか消えてるんだから。南東に光があったよね?」

 一方の青のドラゴンはアイスドラゴンのアイス。通称『絶対零度のアイス』。

 ブレスとアイスは共に旅をしていたのだが、いつの間にか分かれていたらしい。

 早足に北西に向かった。


 と、ブレスはマイペース。アイスは方向オンチでいわゆる、一緒にしてはいけない2匹というものだ。



 また、一つの場所に留まり、戦いに暮れる者もいる。このドラフ火山でも…


「アニキ!お疲れ様です!今日はどうでやしたか?」

 白いドラゴンは赤いドラゴンに頭を下げた。


「今日のケンカはナシだ。それどころじゃなくてな。」

 赤いドラゴンはフレアドラゴンのフレア。通称『熱血炎のフレア』。


「何がありやした?」

 白いドラゴンはフレアの弟子のグローイングドラゴン。まだ名前はつけられていない。


「勇者が目覚めたらしくてな。ドラゴンを前に消しかけたんだけど、そいつだったらしくて、ビートにこっぴどく怒られちまった。だーっはっは!」

 フレアは細かいことは気にしない性格だ。


「そうだったんすか!?何をしたんすか?」

 白いドラゴンはフレアのすることに興味津々なのだ。


「教えねー。」


「気になるっす!」

 この師弟関係は100年も続いている。いや、師弟というよりも親友に近いかもしれない。


「…勇者は目覚めた。ここからどう動く?暗殺者よ。どちらに動くも私の知ったことではないが。」

 この紫のラインが入った鎧のようなドラゴンはビートドラゴンのビート。通称『大地の守護者ビート』

 フレアとはライバルの関係にある。

 一匹で静かに物事を考えることが多い。

 一言で言ってしまえば一匹狼だ。



 そして、大切なものを守るために身を隠す者もいる。この光を拒む森の中で…

「シャイン、お前と同じ魔力をあの光から感じた。一体どうなっているんだ?」

 この黒いドラゴンはダークドラゴンのダーク。通称『光守る者ダーク』。

 冷静で何があろうとシャインを守ろうとする。


「私も正直混乱してる。まさか彼が属性の力に目覚めるなんて…もうアイスの力にも目覚めてるわ。」

 この純白のドラゴンはシャインドラゴンのシャイン。通称『光与える者シャイン』。

 常にダークと共に行動している。


「今はまだ未熟者、どのようにして成長するのか、俺たちにも関わって来るのか…どう動こうと俺はお前を守るだけだがな。」


「ありがとうダーク。それにブレスは彼らに接触するつもりね。どうするつもりなのかしら?まさかアイスの力と…いいえ、私はブレスを信じる。彼を倒すって。」

 ブレス、アイス、フレア、ビート、ダーク、シャイン。6つの属性をそれぞれが司っている。

 そして、それぞれが共通点と変わったところがある。

 違う点は一癖二癖あるところ。

 共通点は…


 勇者を悪魔と呼ぶこと。


 そんなことを全く知らない勇者は今現在眠っている。とはいえ、ムーンに身体を動かされているが。

 未来は決めるものでもないし、決められる訳でもない。勇者たちの冒険は始まったばかりなのだ。

 お前は誰かって?

 我は、暇なだけだ。ただの一人言だから気に止める必要もない。

 勇者はまだ、新たな力の扉の前に立ったに過ぎない。シャインとアイスの力はその扉から漏れたひとかけらなのだ。

 だが確実に勇者は世界の真髄へ歩もうとしている。

 ブレスと会うのも時間の問題だ。


 ようやくこの空っぽだった世界も新たな時代が始まろうとしている。


 最初の伝説に最初の英雄が。


 さて、我も勇者の記憶を頼りに便利なスキルを作ってみるとするか。

【空想物生成術】でまずはあのスキルを作ってやろう。暇だし。

 術式自体は簡素だし、すぐに作れるだろう。見積もって2日ってとこかな。

 やっと暇じゃ無くなったな、あの変身?出来る物とかも作ってやるか。

 だが、それよりも人間により近い姿になるものの方が…

 いや、これはあやつが自力で手に入れる方がやりがいがあるだろう。その方が我の手間が省ける。

 さてと、まずは空間に穴を開けて異空間に繋げる術を描かなければ…

 作れると言っても術式の構築を0からしなければならないから思ったより大作業になりそうだ。


(さっきからぶつぶつ言ってんの分かってるぞ?)

 分かってたか。


(秘密主義も大概にしろよ【コマンド?】。勇者サンになんか言われない程度にしとけよな。)

 言われなくともわかっている。少なくともお前よりかはな。


(んだと?このスキルやろう。)

 言ったな未練がましい幽霊が。


 勇者だけではなく、この嘘つきとも付き合いが長くなりそうだ。

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