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転生したら勇者なドラゴンでした(α版)  作者: ふらあま
A NEW HERO
25/99

25.地獄の特訓

 アクアを燃やした後、ムーンと自分は特訓をすることにした。

 今は移動しながら冒険の書に今までの冒険を記録(セーブ)している。


 まず、魔法ってなんなの?


(そこからか、魔法は基本的に身体にあるMPを消費して付与した力を具現化する。この動作をするために必要なのが呪文。中には精霊の力を借りなくちゃいけないような呪文もある。それに馴れれば呪文を口で言う必要もない。)

 呪文は魔法を打つために必要なのか。


(強力であればあるほど消費するMPも多くなる。けど、術者の魔法に対する抵抗力を小さくすれば少ない消費で大きな力を出せる。それが魔法力。魔法抵抗力は魔法が効きにくいってのもあるんだけど、回復系の呪文の効果にも影響があるんだ。)

 攻撃魔法の威力を上げるのが魔法力、魔法の効果を受けにくくなるのと回復魔法の威力を上げるのが魔法防御力に比例してるってことか。


(だいたい分かったろ?【のりうつる】。)

 わっ!ムーンいきなりどうした?


(ちょっと無理やりだけど、まずは身体に教えないといけねえからな。【エレメントマジック”(フレイム)”】!呪文の使い方ってのを見せてやる!)

 そう言うとムーンは周りの木に炎を打った。木は勢いよく燃え上がった。

 ちょっとムーン!?放火魔になるつもり!?


(ばーか、んなめんどいことするかよ。【エレメントマジック”(ランド)”】!ちゃんとするよ。)

 火が燃え広がらないように土の壁を作った。

 これじゃ火を消したことに…


(じゃあ、お手並み拝見といくか。あとは頼んだよ。)

 えっ、ちょっといきなりすぎるよ!


ーーーー

 トライアルクエスト『炎の中に眠る氷』を始めます。

ーーーー

 身体が動かせるようになった。炎に包まれたこのフィールドで。てかこれってクエストなんだな。

 それより思うように体に力が入らない…魔法を使いすぎたせい?


ーーーー

 MPが一定値まで低下しました。

 状態変化【魔力使用制限(グローイング)】になった。

ーーーー

 鱗が白くなって角も爪も短くなってしまった。その代わりに二足で歩けるようになった。


【これはいわゆるセーフティーだ。MPの消費を抑えることが目的の姿だ。この危機をどう切り抜けるか…】

 冷静に考えてる場合じゃないよ!どうしようどうしよう!

 自分が慌てふためいている内に燃える木が自分に向かって倒れて来た。


 やばい、まじやばい


 今まで以上にやばい。どうする!とりあえず…


 斬れ!


 力を込めて炎に包まれた木を爪で切り裂いた。

 真っ二つになったけど勢いが収まった訳でもないし避けきれた訳でもない。

 そこから尻尾で木を凪ぎ払って粉々にした。

 まずは切り抜けたけど、火の延焼を抑えないと。

 水で消したいけど水はない、でも火は風速15m以上で消えるはず!

 自分は倒れた木に向かって翼をはためかせた。

 思った通りに木の炎は消えかけた。けど、火の粉が舞っているせいでそれ以上は消えなかった。

 大丈夫だ!焦るな!もっと考えろ!


 この作戦はボツ!さあどうする?このままほっといて火が自然に消えるのを待っても良いけどこの炎の勢いだ。上昇気流も地面に立っているだけで感じるくらいだから外の木に燃え移るのは時間の問題だ。なんとかしないと本当にヤバい!せめて自分が氷系の呪文やブレスを覚えていれば…

 いや、この限られた条件の中でいかにこのピンチに他の誰かを巻き込まずに誰かを助けられるかって言うムーンからの挑戦なんだ!ムーンのことだから本当に殺す気でかかってるかもしれないけど、それでも…


 ここを切り抜ける!


ーーーー

 特殊スキル【ひるまぬ勇気】を覚えた!

 特殊スキル【灼熱を耐える】を覚えた!

 勇気が+5%された!

 不意を突かれる確率がー20%された!

 炎耐性が+20%された! 

ーーーー

 少しだけ炎が熱くなくなった。息ができる間に何とかしないと!

 そうだ!木を倒そう!昔は水を一度に大量に運ぶには無理だった。でも、そういうときは燃え移るものを壊して火の延焼を抑えたんだ!

 燃える木を思いっきり叩き斬ったが倒れなかった。力を込めて斬ったのに抉れていなかった。

 おかしいな、いつもならこれで抉れるのに…


(そりゃ攻撃力が下がってるからだ。力だけじゃどうにもならねえこともあるんだ。こう言うときこそ冷静にならないと。)

 こう言うときこそ冷静にか…確かにそうかもしれない。

 自分は今までそう落ち着いて戦ったことが無かった。危機的な状況こそ、落ち着いていることがパーティーリーダーのつとめ。やっぱり自分はまだまだなんだな。

 冷静に…クールに…涼しげに…


ーーーー

 条件を満たしました。〖アイスドラゴン〗に条件進化します。

〖スキル〗にれんけいしんかします。

ーーーー

 鱗の色が青に変わって爪と角が元に戻った。更に鱗に薄い緑のラメが入って目の周りにまた白い炎があらわれて進化が終わった。


(やっぱやりすぎたな、わりい。あたいもこう言う状況だから協力しないとな。)


ーーーー

 TAKE AIM ALL THE TARGET!

 残り30秒

ーーーー

 残りMPはわずかでしょ?いけるかな?


(木を倒してまとめて消せば手っ取り早い。木の芯を狙って叩き斬れ。今の姿なら芯が分かるはずだ。アイスならこおりの息が使えるはずだ。)

 分かった、やってみる。

 さっき倒せなかった木を見るとどこをどの角度で斬ればいいのかすぐに分かった。それに添って爪で斬るとあっさり斬れた。

 これがスキルの力なのか?


(ああ、その名の通りとくぎや呪文の本来の能力を引き出すことができるらしいな。)

 すごく便利だね、なら早く倒そう!

 一本ずつ丁寧に斬り倒して行った。20秒たったころには切り株しかない炎の平原になっていた。

 うわっ!

 急に身体の自由が効かなくなった。


(うおっ!?またかよ!仕方ねえ【コマンド?】10秒数えろ。)

 またムーンと入れ替わった。これって何の味があるんだろう?


ーーーー

 COUNT START!

 10.0

ーーーー

 ムーンは上空まで飛び上がって【こおりの息】よりも強力な〖こごえる吹雪〗を放った。吹雪で火は消えたというよりも凍った。


ーーーー

 TIME OVER

 WEAK OUT

ーーーー

 加速していないのであっという間に時間が過ぎてアイスドラゴンに戻った。


ーーーー

 トライアルクエスト『炎の中に眠る氷』をクリアした!

ーーーー

 ふう、やっぱり進化すると疲れが溜まるな。


(この力はあんたの身体には合ってないのかもしれないな。)

 そうかな?確かに使えるのは使えるけどなんか足りない気がするんだよなー。


(MPが少ないからだろ?身体は借りたままにしとくからせめて心を休ませときな。)

 うん…ありがと…

 自分はムーンが優しいと思いながら意識を手放した。

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