1.はじまり
高校生の自分が異世界転生に憧れて書いた小説です。至らぬ所が多々あるかもしれませんが読んでみて下さい。
設定を変更しました。
人はいつか死ぬ。それは逆らえない運命だ。
けれど、それがいつ来るかは分からない。今かもしれないし、ずっと先かもしれない。
だから自分はいつ死んでもいいように準備していたはずだった。でも…あんなすぐに来るなんて。
そう、あれは秋のある日だったいつものように学校に行って、いつものように授業受けて、いつものようにクラブをしてパッと自転車で家に帰る…なんてことないいつもの日常だった。
「じゃあ、また明日。」
「バイチャっちゃー…よし、準備オーケーっと。」
自分はしっかりヘルメットとサングラスをつけて自慢の自転車にまたがって40分の道のりを走り出した。いつも通りの道をいつも通りの速さで走った。冷たい風が顔に当たってペダルを踏むごとに体温が上がった。しかし冬の寒さで早く帰りたいと前しか見ていなかったせいだろう。自分は真っ直ぐ交差点に入った。
「危ない!」
「えっ?」
自分ははっとして顔を上げた。
響くブレーキとクラクションの音、真横に大きなトラックが迫っていた。自分とトラックは丁度真正面で当たりそうだ。加速する?いや当たりに行くも同然。ブレーキをかける?ここからだと間に合わない。考えてもよける術無くトラックはさらに迫る。
吹っ飛んで地面に叩きつけられ、血が流れ出て身体の体温が急激に下がっていく。だんだんと視界が暗くなっていく…最後には瞬間にまるで古いテレビの電源を消したときのような感覚に襲われた。
死んだ
思考がそう告げてさらに意識が沈んでいく…
周りは大迷惑だろうな…ちゃんと周りを確認すればよかったな…そういえばあのプラモデルもまだ完成して無かったな…ああ、自分の人生ここで終わりか…後悔ばかりが頭で渦巻いて意識が闇へ沈んでいった…
〖やっと見つけたよ。これで全てが始まる。さあ始めよう君の冒険を。〗
抑揚が深い口調の男の声が聞こえた。誰だと言い返したかったがその前に意識が途切れた。
なんか寒いなあ…死後の世界ってこんな感じなんだ…いや、死んでたらこんな感覚あるか?何がおかしいな。
身体を起こそうとするとおでこに何かがぶつかった。いや、ぶつけたんだ。ぶつけたところが割れてかすかに光が見える。思ったより脆いみたいだ。何度も何度もぶつけて割っていく。ちょっと頭がくらくらするが気にしない。そうしてその何かを全てを割った。
ここどこだ?洞窟?ダンジョン?死後の世界?それともはざまの世界?まさか地獄?魔界?
辺りを見渡そうとして立つと体重が後ろに傾いて倒れた。
「ギャオッ!?」
痛っ!と言ったつもりが何かの鳴き声に置き換えられていた。
えっ、今の自分の声?自分声変わりもしてたはずなのになぜ?
思わず手で口を押さえるがその手も人の手では無かった。
青い鱗におおわれていて3本指だった。そして目線が低い。自分は高校生で平均的な身長だったけど今は小学生低学年くらいしかない。さっきの痛みがあるってことは五感がしっかりと働いているということだ。夢じゃない間違いない。
生きてる
近くに鏡のように反射する石を見つけた。今の姿を確かめるために少しずつ近づく。二足でうまく立てないので地面に手足をついて歩く。4足は慣れないな赤ん坊でもあるまいし…
鏡に写った自分は人間じゃなかった。背中から生えた翼、全身に覆われた青い鱗、肩から尻尾にかけて引かれた一本の黄色いライン、尻から伸びる太く短い尻尾、頭の後ろから生えた短い角、暗闇に輝く黄色い瞳。これってもしかして…
ドラゴン!?
そう、これは自分が異世界のドラゴンに転生した地球では小説のによくあるありふれた話だ。