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毎日30分小説  作者: 中二
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三日目(2週間ぶり)

牧場を出て東へと歩いていく。

道は普段、人や馬車、家畜たちの往来によって踏み慣らされ自然に出来上がったものである。見渡す限りの平原、木々山々。道中は街に近くなるにつれ、街灯や風車、レンガ状の道路などなど景色が変わっていく。わたるはこうした都会的な雰囲気も気に入っている。街には街にしかない、風景や人、食べ物、物品があるのだ。

 「そろそろつくなー。街に入ったらまずミギーの首輪の鈴だ。」

わたるは街での買い物の計画を道中立てている。鈴の後は果物や野菜は買って帰らないと、しばらく街にくる用事もない。他に工芸品の数々も見ておかねばとわたるは目を輝かせる。わたる自身手先が器用な方ではないので、街に来るたびに工芸品の造形を見ては、こんなものを人が作るのかと感心してやまない。

 「とうちゃーく!! さあ見るぞ! 鈴と工芸品を!!!」

わたるはこれまでの道のりでの速度とは違うスピードで歩き始めた。露店までの歩みが違う。

「お客さんなんだか上機嫌だねぇ。今日はなにを探しに来たんだい?」

 「今日はミギーの鈴を買いに来たんだ。歩くところころとなるようなかわいい鈴がいいな。」

「それならこんなのはどうだろうか。音もお客さんが気に入るものかもしれないよ。」

わたるは比較的大きな鈴を手に取った。鈴は透き通ったガラス細工で、向こうが透けるような緑色をしている。揺らして確かめてみれば、カロン♪カロン~♪と軽やかな音色を奏でた。

 「ふおお。なかなかいい鈴じゃないかー!色もかっこいいしー!いきなりすごいのが見つかったな~。おじさんほかにもある?」

「あるともあるとも。今ので結構好感触なら、次はこんなのもどうだい?」

店主はまた違った鈴を手にわたるに手渡そうと手を伸ばす。わたるは目の前に差し出される鈴たちに手を伸ばし受け取ろうとする。その時だった。

差し出したわたるの腕をものすごい勢いで上から覆いかぶせ、静止するものが現れた。厳密には以前から隣にはいた。静止する腕は白く透き通り、ほっそりとしなやかに伸びていくが、やわらかい印象も持つ。勢いこそあったもののこもる力はそれほど強くはない。

「あ… あの…… それって…?」

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