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喧嘩した後の場の空気は予想以上に重い

 キーンコーンカーンコーン。

 一時限目終了のチャイムが鳴る。

 あれからずっと質問(母のことだけ俺のことは無し)を受けつづけた俺は一時限目なのに精神的にくたくただった。

 2時限目の用意をしていると水上さんが話しかけてきた。

「あなた櫛神美禮の息子だったのですね。」

 はぁ~・・・またか。

「そうだけど、だからなんなの?俺が櫛神美禮の息子だったら何か問題でもあんの?」

「なんですの!その言い方は!」

 水上さんが大きな声を出したからクラスの中が俺達に注目する。

「ったく、どいつもこいつも俺のことを櫛神美禮の息子だ、息子だ、って、正直うぜぇんだよ!俺は美禮の息子じゃない!櫛神琥珀だ!なんにも知らねぇクセに知ったような口をきくな!」

 俺まで大きな声を出したもんだから廊下からも野次馬が見に来る。

「なっ。・・・・・」

 俺の言葉が効いたのかそれっきり黙ってしまった。言い過ぎたか。

 はぁ・・・。

「俺の前でその話、二度とするな・・・。」

 それだけ言うと、俺は教室から出て行った。

 出て行くときに周りからの目線が痛かったが、そんなこと気にするのもバカバカしい。

「ちょっと言い方きつかったかなぁ。はぁ。」

 教室を出た俺は中庭のベンチにいた。もぅ、とっくに授業は始まってる。初日からコレじゃ最悪だな。

「ほんと、言い方きつ過ぎ!アンタがお母さんのこと言われるのあんまり好きじゃないことは知ってるけど、さっきのは言い過ぎだと思うな・・・。」

 いつの間にか俺の頭の上から覗き込むように見下げている茉莉奈の姿がそこにあった。

「いつからいたんだ?」

「アンタが教室飛び出してから。」

 つまり最初からって訳か。

「聞いてたのか?」

「いきなり大きな声が聞こえたからビックリして見に行ったらアンタだったし驚いたよ。廊下まで丸聞こえだったよ。」

 そんなに大きかったのか。

「まぁ、確かに言い過ぎたよなあれは・・・。」

「とりあえず謝っときな。ああ見えて騎士(ナイト)ちゃんは繊細だから。」

 ん?今、なにか聞きなれない言葉が・・・。

「今、ナイトって言わなかった?」

「えっ?言ったけど、それが?」

「いやいや、それがって、ナイトって誰よ!?」

「はぁ?何言ってんのアンタ。今その娘に言い過ぎたって言ってたのはどこのどいつよ!」

 ・・・えっ!?ってことな何か?つまり・・・。

「アイツって水上騎士(みなかみナイト)って名前なのか!?」

「えぇ~知らなかったの?」

 知るわけねぇじゃん。つーか、まず聞いてなかったし。それよりも・・・。

「ぷっ!ふふ・・・あははははは!ナイトって、ナイトって、あーははは。あ~可笑し。」

 いやいや面白すぎるだろ。ナイトって。

「コラ!笑ってあげちゃ可愛そうでしょ!本人だって気にしてるんだから。」

 そりゃ気にするだろ。

「いやぁ~笑った笑った。久しぶりに大笑いしたゎ。ぷぷ」

「もぅ、本人の前では絶対笑っちゃだめだよ!」

「分かってる分かってる。それよりお前、授業はいいのか?」

「いっけないアンタの相手してたらすっかり忘れちゃったじゃない!急いでもどらなきゃ!アンタも早く戻んなさいよ。それじゃあね。」

 ったく人騒がせなやつだな。

 猛ダッシュして戻っていく茉莉奈の後ろ姿を見送ると、俺も教室に戻ることにした。

 ガラガラ。

「授業遅れてスイマセン。」

 教室に入るや否やクラスのみんなは俺を見るなりヒソヒソと話をし始めた。

「おぉ、櫛神。初日から授業ふけるとはいい度胸だな。」

 事情を知らない琴原先生だけは俺を普通?に迎えてくれた。

「ハハ、すいません。ちょっとトイレが長引いちゃいました。」

「ったく、いいから早く座れ。」

「はぁ~い。」

 俺は席に座るとそのまま睡眠体制に入った。どうせ途中から聞いても授業の内容はわからないだろうからな。先生も含めてクラス中が呆れていたが気にしない。

 キーンコーンカーンコーン。

 2時限目終了のチャイムがなる。

 さっきと同じように水上が来た。

「さっきは何も知らずにデリカシーに欠けることを言ってしまいました。ごめんなさい。」

「いいよ別に。俺こそ酷いこと言っちゃったし。ごめんね、ナ・イ・トちゃん。」

 わざとナイトを強調する。

「なっ!あなたそれをどこで!」

「さぁ、どこだろね?」

 茉莉奈の名前を出すと茉莉奈が酷い目に遭いそうなので控えておく。それに同じクラスなんだからいつかはバレるだろうし、今回はそれが早かっただけだ。

「あ~な~た~・・・次にその名前でよんでみなさい!どうなるかぁ~」

 顔を真っ赤にしながら言う水上さん、もといナイトちゃんはかなり可愛い。

「えぇ~。どうなるの~?教えナ・イ・トちゃん。」

「ムキィ~。言いましたねどうなっても知りませんよ・・・。」

 むきになるナイトちゃんも可愛いなぁ~。

「覚悟しなさい!」

 そういうとナイトちゃんは俺を立ち上がらせた。何をするのだろう?

「ねぇ、なにするのナイトちゃん?まさかぁ~エッチなこと・・・」

 俺がまともに言葉を発することが出来たのはここまでだった。

「イタタタ。痛い。痛いよナイトちゃん。」

 俺は万時固めを喰らっていた。

「ナイトちゃん?」

「ごめ、ごめんなさい水上さん。だから許してぇ~。」

 確かに痛いのだが俺の体に押し付けられるナイトちゃんの胸が・・・。

「今、よからぬ事を考えましたね。」

 エスパーかっ!って、そんなことを言ってる場合じゃない!締め付ける強さが増した。

「痛い、痛いよ。ちょ、ほんとだめ。やめ、マジで。」

 俺の苦しむ姿を見てクラス中が爆笑していた。

「もぅ、ナイトちゃんと呼びませんか?」

「えぇ~ダメぇ~?」

「よ・び・ま・せ・ん・ね?」

 強さがさらに増加。本格的にやばい。

「呼びません呼びませんから!」

「そぅ、なら許してあげます。」

 こうしてやっと解放された。普通って素晴らしい。

「痛てて。力強いんだね。ナイ…」

 ギラン。目が怖い。

「えっと、水上さん。」

「当然よ!小さい頃からいろんな武道を習ってましたからね。それにここは戦闘コース。力が強くて当然よ。」

 そうだった、忘れてたけどここは戦闘コースだった。

 もしかして他の娘もこんなに強いのか?もしそうだったら、俺、男なのにこのクラス最弱候補・・・。

「それと、これからあなたのことは琥珀君と呼びますから、私のことは水上さんではなく、みなちゃん、と呼んでください。」

「えらく可愛いあだ名だな。ナイトと大差ないぞ?」

「ナイトって、全然可愛くないじゃないですか!私、可愛いものが大好きですの。だからこのあだ名も結構気に入ってますの。だからそう呼んでください。みんなそう呼びますから。一人を除いて・・・。あの女・・・キィーーー!」 

 十中八九茉莉奈だろうな。

「まぁ、最初はあれでしたけど、これからよろしくお願いしますね。琥珀君。」

「あぁ、よろしくなナイトちゃん。あっ!」

「あっ、」

 しまった。

「いや、あの、これはうっかりで、ちょっ、待って、落ち着いて、ほんとやめ…」

 バキッ!

「ギャアアーーー」

 この後の記憶がありません。

更新遅れてごめんなさい(汗

なんとか書き終わりました。

アイデアがなかなか出なくて(汗

これからもなるべく早くできるよう頑張ります!。


感想やコメ気軽にバンバンください^^。

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