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第98回

沼澤氏と話した昨夜の今日である。私もまさか、こんなに早く異変が現われるとは予想だにしていなかった。それも、前回の遠回し的な会社利益ではなく直接、私の身辺に派生したのである。もちろん、多毛たげ本舗に起きた馬鹿売れの異変が我が社の契約を伸ばすことになり、結果として部長や専務に好印象を与えたことは否めない。それが今、こうして第二の異変を起こしたのだから、ドミノ倒し的な異変の連鎖の始まり…と見られなくもなかった。こりゃ、さっそく沼澤氏に連絡しないと…と、専務室を出ながら私は思った。ただ、火、土の週二日以外、沼澤氏は眠気ねむけ会館にはいないのだ。しまった! 早起はやきに住んでおられることは、ほぼ疑う余地がないが、連絡先を詰めておかなかった…と、私は自分の手抜かりに気づかされた。『連絡させて戴いても…』と訊ねた時、沼澤氏は会館のことを云ったのだが、そこをもう一歩、踏み込んで電話や連絡先なりを詰めておくべきだったのだ。情況が逼迫ひっぱくしていなかったことと、寒い夜のホームでの会話だったことも多少は影響したのかも知れなかった。今日は水曜だから、三日ばかり待たねば連絡できない…と、私は気づいた。課に戻り、自分のデスク椅子に座った時、ふとあることを思いついた。それは、みかんのママに連絡してみりゃどうだろう…という素朴で単純な発想だった。ママなら、もしかすれば沼澤氏の連絡先を知っているかも…と、思えたのだ。

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