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第95回

「だって、私は私じゃないですか。そうじゃないんですか?」

「ええ、そりゃもちろん、そうですが…。ひとりでおられる時はよろしいんですが、他の方がおられる場では、突飛なことが生じるかも知れませんからご注意を…。まあ、悪いトラブル、ハプニングのたぐいじゃないんですがね。あなたには、すでに霊力が宿っておるのですから…」

「こりゃ、冬場に寒い怪談だ」

「ははは…。まあ、余り気になさらないで…」

 沼澤氏はふたたび陽気に笑った。それで私は少し気が楽になった。その時、電車がホームに入ってきた。ドアが開き、私と沼澤氏は車内へ入った。話は自然と途切れたが、電車が動きだすと復活した。

「沼澤さんは、どちらまで?」

「私ですか? 私は次の早起はやきで降ります」

「そうですか。割りと近くだったんですね」

「塩山さんは?」

「私は、その先の新眠気しんねむけです」

「なんだ、兄と同じでしたか」

「えっ? 神主をやっておられる草男さんですか? 奇遇だなあ~」

「はい。私も以前は、新眠気に住んでおったのですよ」

「ご実家でしたか…」

 そうこう話しているうちに、電車は早起駅にゆっくりと停車した。

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