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第94回

「沼澤さん、寒くはないですか?」

「なあ~に、私は寒さには滅法、強いんで…」

 沼澤氏は全然、寒さがこたえていないように明朗に返してきた。

「そうですか。今度もし、異変が起これば、連絡させて戴いてもよろしいでしょうか?」

「ああ、結構ですよ。ママさんにお聞きになったかも知れませんが、火、土の週二回、そこの眠気ねむけ会館の二階で心霊教室を開いておりますのでのぞいてみて下さい」

「眠気会館? 眠気会館は会社の入社面接会場で使わせてもらったことが何度もあり、よく知っております。そうでしたか…、眠気会館でね。世間は広いようで狭い、とはよく云いますが、正にこのことですねえ。ははは…」

 私は軽く笑った。沼澤氏も釣られて笑ったが、顔は笑っていなかった。

「最初に少し匂わせてお話ししたと思いますが、玉に選ばれたあなたは、もうただの塩山さん、あなたではないのですよ…」

 沼澤氏は急に真顔で話し出した。

「えっ? どういうことでしょう? こんな夜更けに、余りおどかさないで下さいよ」

「いいや、脅かすつもりはないのですが、心づもりは持っていて欲しいと云ったまでです」

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