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第85回

ただ、そんなことを云うために、今日、店に寄ったのではなかった。何としても、大玉と小玉だった。要は、大きい水晶玉の霊力と小さい玉の霊力が互いに意思疎通を行っているか…、これでも分かり辛いが、今風に云うなら、テレバシーのり取りを行っているか、を確認すべく寄ったのだった。私は話が脇へれるのを避けるため、話題転換することで先手を打った。

「それはそうと、沼澤さんはよく来るの?」

「まあ、ひと月に二、三回ってとこじゃない、ねえママ?」

「そうねえ~、そんなもんかしら…」

 オーダーしていないのに、ダブルの水割りが出てきた。偉く気が利くなあ…と思ったが、それについては何も触れなかった。

「それで沼澤さん、何か云ってましたか?」

「え~とね…、そうそう、満ちゃん、あなたのことを訊いてらしたわ」

「えっ? 何をです?」

「あなたの身の回りで何が起きているかをお知りになりたいみたい…」

「俺のことですか…。で、いつ来られたんですか?」

「二日前だったかしら…。ねえ、早希ちゃん」

「はい、そうです」

 いつの間にかボックスへ移動した早希ちゃんは、例の携帯をいじくりながら、そう云った。

「どういう訳か、会わないんだよなあ…」

「そりゃ仕方ないわよ。待ち合わせてる訳じゃないんだし…」

 早希ちゃんの一撃に、私は沈黙した。

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