表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/317

第80回

これは全く予想外の展開で、これでは大玉と小玉の関連は…などと小難しく考えている雰囲気ではない。加えて、カラオケの音量が、けたたましく、耳障ざわりなくらいだ。当然、ママや早希ちゃんと語らう機会もないだろうと思え、多くの客で、ごった返す中、私は早々に帰ることにした。結局、この日はママに頼んで作って貰ったコーク・ハイを一杯、飲んだだけだった。

「また、来ます。お勘定、この次に回しといて…」

 小忙しく手を動かすママへの気遣いで、そう声をかけ、私は店を出ようとドアに向かった。

「悪いわねえ。また、お近いうちに…」

 手を止める余裕もないほどのオーダー対応を余儀なくされているママだが、ほんの束の間、手を止めてニコッと笑ってくれた。こういう小さなサービスが顧客をつかんで離さないのだろう。私はここでも一つ、商売の有りようを勉強させて貰った気がした。

 こうして、この一日は流れ去り、いよいよ歳末商戦の師走に突入していった。みかんでの確認の機会を逸した私だったが、実は他にも目的はあり、訊ねたいと思っていたのである。沼澤氏とは、ここしばらく出会わず、胸襟を開くチャンスに恵まれていなかった。氏に出会ったなら、会社のことも玉のことも洗いざらい話して、今後の対策や心構がまえなども訊きたい、と思っていたのである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ