表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/317

第66回

 その日は賑やかな課内の動きはあったが、それ以上の混乱する異変も起こらず、一日が終わった。私としても、異変がそう連日、続くとは思っていないし期待もしていない。というか、むしろそう度々(たびたび)異変が起こってもらっても私が困惑するのである。理由は至極簡単で、安定した生活が望めないし、それ以上に、起こっていない事に対する漠然とした不安を抱くのは嫌だからだ。早い話、ドキドキビクビクの日々を過ごすのは困るということになる。もちろん、それが沼澤氏が告げた大幸運だったとしても、である。

 そんなこんなで十日ばかりが過ぎ、第二課の混乱も終息する様相を見せ始めていた。要は、電話対応の本数が次第に減ってきた…、もう少し分かりやすく云えば、爆発的な受注契約が先細りし始めたということである。事が生じる前の閑静な課内ではないにしろ、ようやく課員達は落ち着きを取り戻しかけたのだった。一過性の右肩上がりか…と、私は机上の契約件数を示すグラフ書類を眺めた。前の席に座る児島君が作成したものだった。件数は減少が著しかったが、契約額はすでに昨年の我が社の契約額を優に超えているのだから、鳥殻とりがら部長に叱責される心配は全くなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ