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第59回

そこからは、この前と同じ動きとなった。重複を避けるために端折はしょるが、要は、①私が椅子へ座り、②禿山はげやまさんが茶菓子とお茶を出し、③私が話し手、禿山さんが聞き手となる、という①~③の構図だった。

「楽しみにしとりました…」

 禿山さんは椅子に座ると開口一番、そう云った。

「え~と…、どこまでお話ししましたっけ?」

「みかんという店に現れた妙な男がいたが、インチキでもなさそうだったというさわりだけで…」

「そうそう、そうでした。で、その占い師なんですが、実は私の知り合いから聞いた沼澤草男という宮司の弟さんらしいんです」

「ほう! それは奇遇ですな」

「そうなんですよ。沼澤草次という霊術師なんですがね」

「霊術師? …まあ、インチキではないようですが、占い師ですからなあ、ハッハッハ…」

 禿山さんは、まあその程度の話だろう…と思ったのか、高らかに笑った。

「いえ、私も初めのうちは半信半疑で、どちらかといえば、今の禿山さんの心境だったんですよ。どうも、うさん臭いなあ、と…」

「何が違っとりました?」

 禿山さんは真顔に戻ると、身を乗り出してきた。私は事の仔細しさいを洗いざらい話すことにした。

「その沼澤氏が云う通り、私の周りで異変が怒り出しているんです」

「えっ!! それは本当で?」

「はい…」

 真剣な眼差まなざしで私はうなずいた。禿山さんは言葉を失い、慌てて茶をすすった。

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