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第58回

一刻も早く禿山はげやまさんに今迄の一部始終を話さねば…と思うと心が急いた。いつもなら、ゆっくりと食べるペースまで狂っていた。恐らく禿山さんも私の話を一刻も早く聞きたいとウズウズしておられるに違いないと思えた。食後のコーヒーもそこそこに勘定を済ませると、私は車を飛ばした。とは云っても、眠気ねむけ警察署の交通課の方々にご足労を願うほど飛ばした訳ではない。私はいつも安全運転を心がけている模範運転者だった。…そんな自慢話は聞きたくもないといわれる方も多いと思うので、話の先を急ぐことにしたい。

 会社へ着くと、バタバタと車を止め、首元のネクタイを少し緩めた。余りに気が急いて、鞄を車内に危うく忘れるところであった。社員通用門を潜り、社屋へと入る。進行方向の通路正面には禿山さんがいる監視室がある。その日も当然あり、禿山さんも丸禿頭を照からせて通路正面に輝かしく存在した。話のついでに云っておくと、私の課は、監視室を右折した通路方向にあった。

「やあ、塩山さん! おはようございます。もうそろそろ来られるんじゃないかと思っておりました。さあ、どうぞ中へ…」

「いやあ…おはようございます」

 私の行動など全てお見通しの禿山さんである。静かに椅子を立った禿山さんはドアに近づくと鍵を開け、ドアチェーンのロックを解除した。

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