表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/317

第45回

「どちらから?」

「お得意の多毛たげ本舗様からです」

「ああ、今夜の? で、なんて?」

「それが…、都合で本日は辞退させて戴きたいと…」

「そう…。何か急用でも出来たのかな?」

「はあ、そこまでは云っておられないんですが…」

「ふ~ん、まあ、今日は寒いしねぇ。私も気乗りしてなかったんだよ、実は」

「そうでしたか…」

 いつも私が接待をしている上得意で、何軒かハシゴした後、最後にみかんでお開き、というのがパターンだった。だがこの日は、私の体調が今一で、二日前辺りから風邪ぎみで微熱があった。それで昨日、掛かりつけの白髭しらひげ医院へ行き、調合して貰った薬を朝、昼、晩と飲んでいたのだ。幸いにも点滴注射で身体のけだるさは消えたので、会社を休むほどのことはなかった。そんなこともあり、多毛本舗の接待は気が進まなかったのだが、輪をかけて、この日の寒さが一層、私を億劫おっくうにしていた。そこへ、児島君が受けた先方からの断り電話だった。まあ、この時は、以前にも似通った話がなくもなかったから、そう深くも考えず、偶然、私の思い通りになったのだろう…と、思う程度だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ