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313/317

第313回

「あれっ? 早希ちゃんの姿が見えないですが…」

「彼女さあ、今、食材のお買いもの」

「ああ、それで…」

 私はその後しばらく、ママと他愛ない話をしていた。早希ちゃんがマイバッグを下げて帰ってきたのは、それから三十分ほどした頃だった。

「あら、満ちゃんじゃない、久しぶり。どう、元気?」

「ごらんのとおりさ。まあ、少しは年をとったけどな、ははは…」

「日本のお偉い人だったんだから、そんな口、きいちゃ駄目でしょ、早希ちゃん」

「いけない! そうでした、そうでした」

「今日は、ゆっくり出来るんでしょ?」

「ええ、それはまあ…。それより、沼澤さんは来られないんですよね?」

「なに云ってんの。沼澤さんは遠い所へ行ってしまう…って云ってらしたじゃないの」

「そうですよね? いやあ、東京で見たのは空耳…じゃなく、空目だったかなあ」

「ふふっ…。満ちゃん、面白いジョーク。空耳じゃなく空目か。ふふ…」

 早希ちゃんが小さく笑い、ママも釣られた。私はそのすきに酒棚へ目線を走らせた。沼澤氏が置いていった水晶玉は、変わらずいつもの場所にあった。

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