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第310回

「ああ…、塩山さんですか。私、誰だか分りますかね?」

「ええと…。聞き慣れた声なんですが、誰でしたっけ?」

「ははは…。専務の鍋下なべしたですよ。実は、社長の炊口たきぐちさんが会長に就任されるんですが、是非、社長の後任を塩山さん、あなたにお願いしたいと、こう申されておるのですよ。で、一度、会社の方へお越し願えませんかな?」

 鍋下専務や炊口社長は私の元上司である。そう無碍むげにすることも出来ない…と思えた。

「はあ、それは大丈夫なんですが…。炊口さんが会長ですか? なら、専務、あなたが社長になられるのが順当ですよね?」

「はい、それはまあ、そうなんですが…。私、体調が今一でして、寝言ねごと総合病院へ通院しながら勤めておるようなことでして…。とても、重責を果たせる自信がですな…」

 鍋下専務は語尾をぼかした。

「どこがお悪いんです?」

「いやあ…、少し耳が遠くなりましてな、ははは…」

 誰だって多少は遠くなるでしょう…と云いそうになり、危うくやめた。

「分かりました。…では、数日中に一度、顔を出させていただきますので、その旨、お伝え下さい」

「はい! なにぶん、よろしくお願い致します」

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