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304/317

第304回

 受賞式は年も押しつまった頃、とり行なわれた。そして式もとどこおりなく済み、私は東京へとUターンした。空港へ降り立つと、国外ではまったくなかったフラッシュの放列を浴びた。それは飛行場から移動した駐車場で、車から降りた直後の暗闇だった。記者会見場がセットされていたにもかかわらず、歩く通路で記者達から矢継ぎばやの質問が飛んできた。私は、「ああ…それは、のちほど…」などと口走りながら報道陣を押し退けるように控え室へと退避した。もちろん、露払い役の秘書やSPが私の前後や横にいたことで直接、押されるとかはなかった。

 控え室のドアを閉じ、ようやく人心地つくことが出来た。その時お告げが舞い降りた。

『おめでとうございます。今日は会見があるようですから後日、改めて伺います』

 お告げとしては、もっともシンプルで短いものだった。こちらから返すもなかった。その後、私はセッティングされた記者会見に臨んだ。大よその質問は予想できていた。備わった霊感が多少、向上したように自分にも思えた。

「PA通信の黒豆くろまめです。W受賞のご感想をひと言!」

 私は思わず吹きだしそうになった。黒豆はないだろう…と笑えたのだ。

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