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第295回

 次の朝、さっそく私は小菅こすが総理の官邸を訪ねた。総理も忙しいから当然、事前連絡をとってのことだ。私は、お告げのことだけは伏せて、土の雑菌にまつわる話をした。

「ほう…。それは本当ですか? 誰からのお電話かは事情で云えないとのことですが、その方は大学で教鞭をとっておられる方でしょうか? 偉く専門分野のお話をされてますが?」

「ええ、まあそのような立場の方です」

「我が国も家畜伝染が確認されましたし、一刻を争う事態です。世界中が治療法発見に躍起となっておるときですから、この雑菌が、というより、この土への発想と研究が人々に福音ふくいんとなればいいのですが…」

「分かりました。さっそく味見あじみさんを呼んで、何らかの手立てを講じましょう」

 小菅総理も煮付につけ先輩が局長の国家戦略局へ寄る用向きがあるらしく、私との話は、わずか十分ほどだった。それだけ我が国は一刻を争う対応を迫られていたのである。

 私が総理に進言した話は、ことがことだけに、すぐ味見厚労大臣の耳へ伝わり、トントン拍子に実現へ向け動き始めた。まず、厚労省トップから指示が下され、研究機関に特別編成チームが組織され、直ぐに土壌研究が開始された。通常の場合、半年以上はかかる行政対応も、その緊急性からか、わずか一週間という迅速さであった。

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