表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
281/317

第281回

「それで、なにか用なの? 今、禿山はげやまさんにいるんだけどなあ~。あっ! 早希ちゃん、知らなかったか、禿山さん」

「知らないわよお~。誰よ、その禿なんとか云う人…」

「ははは…、禿なんとかじゃなく、禿山さんだ」

 私は思わず笑えてきたが、目の前の禿山さんを見て、失礼だな…と急遽きゅうきょ、真顔に戻した。当の禿山さんはニコニコと、なに食わぬ顔で携帯の会話を聞いているのだった。

「禿山さん? …まあ、誰でもいいけどさあ、…ママがね、また寄ってね、って」

「なんだ、それだけのことか…。いやあ、今さ、副大臣や政務官に任せてこっちへ帰ってんだけどな。急用が出来たんで戻れ! かと思ったよ」

「そう…。今、東京じゃなかったのか、満ちゃん」

「ああ…、数日だけだけどさあ、重要なのが片づいて、切りがついたんでな」

「ふ~ん。だったら、また寄ってよ。水晶玉のことも話したいしさ」

「水晶玉って、酒棚のあの玉か?」

「ええ…」

「沼澤さん、そのままにしてたんだ…」

「そうなの。店に寄られなくなってさ、髄分、経つんだけどね、そのままなのよ~」

「沼澤さんが店に現れなくなったことはママから聞いたけどな。そうか…、そのまま棚にあるんだ」

 私は一度、様子を見に、店へ寄ってみるか…と、思った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ