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第277回

 その夜、私はついうっかりして、ママへの電話を忘れていた。煮付につけ先輩や他の大臣連中と夕食を済ませたあと、マンションへ真っすぐ帰った私は、すっかり忘れていたようで、風呂に浸かってから寝酒を喉へ軽く通し、ベッドへもぐり込んだ。そして五分ばかりが経った頃、携帯の呼び出し音がした。こんな夜更けに、いったい誰だ! と少し怒れたが、ふとママへ電話をかける一件を思いだした。その瞬間、携帯音はママからに違いない…と思え、私はあわてた。急いで枕元の携帯を手にすると、やはり予想したとおり、ママの声だった。

「なによお~、満ちゃんから電話するって云ったから、待ってたのよお~」

「いやあ、すみません。つい、うっかりしてました。すみません」

「そう何度も謝らなくてもいいわよ。別に怒ってんじゃないんだからさあ」

「長距離、高くつきますので、こちらから、かけなおします」

「いいわよお~、そんなの。深夜だし、無料通話分があるから…」

「それは、いけません。こちらからかけるって云ったんですから…」

「そおう? …なら」

 ママは電話を切った。私はすぐさま、リダイヤルした。

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