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第275回

結局のところ、こうした流れを経て、新たな日本政治が始動したのだが、仕分けという法的拘束力のないものから、法的効力を持つ国家戦略局内の予算部局の作業は順調に推移し、次年度の当初予算案が日本史上、初めての行政トップダウン方式で提示されるに至った。与野党合意の、云わば立法府が行政府をバックアップするかのような形で生まれた予算部局で査定された予算案は、両院の予算委員会、本会議で、これといった反発もなく一部修正で可決成立した。この事実は、我が国の憲政史上、初の快挙ではないか…と、私を想起させた。もちろん、私以外の人々もそう思ったに違いなかった。これはもう、大玉様によるもの…と、私は確信した。メディアは連日、激しい報道を繰り返し、小菅こすが内閣の支持率は一挙に90%以上の数字をたたきだした。今や、時の人となった小菅総理はテレビや取材に引っぱりだこで、あたかもスター並みの扱いとなった。小菅プームである。当然私も、小菅内閣の一閣僚としてテレビ出演や取材に追われる多忙な日々が続いた。そんなある日、携帯にみかんのママから電話があった。

「満ちゃん? 私よ、分かる? …みかんの明日香よお~」

「わあーママかっ! お久しぶりです」

「テレビとか新聞で、毎日、見てるわよお~。あんた、大活躍じゃない。すごいわあ~。ほんと、あんたはすごい!」

「ははは…、総理に云われたことをやってるだけですよ。…大活躍か、ママにかかれば形無しですねえ~」

 私は軽く笑って、やんわりとママの毒舌から退避した。

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