第274回
さてその後、どのように国会が進展し、お告げに相談した予算の成立がどのようになったかは、読者のみなさんのご想像にお任せしよう。えっ? その辺りがお知りになりたい・・んですか? 仕方ありません。では、どうなっていったかを断片的に掻い摘んで語ることにしましょう。
長壁財相に指示を下した小菅総理の下、国家戦略室は局へと昇格され、局長は長壁氏が兼務することとなった。さらに、国家戦略局の中には予算部局という新たな下部組織が加えられ、財務経歴を持つ議員が参与という呼称で予算査定プロジェクトを仮実施することが決まった。とはいえ、白書の答申を待つ諮問委員会に委ねるのとは少々、色彩が異なる。要は、そういつまでも待てない性質のものだからである。しかも、諮問という法律的な根拠、強制力はなかった。小菅総理は強力な指導力を発揮して、その内部組織と権限を定める条項を追加した国家行政組織法、内閣法などの改正案を上程、審議もそこそこに両院でスンナリ可決成立させた。まあ、この背景には恐らく、お告げが云った大玉様の強力な力が働いたであろうことは疑う余地がなかった。というのも、野党の抵抗も少なく、与党である民自社公共党のみならず、全党一致で修正可決されたからだった。