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第26回

夕刻、ぶらりと私はスナックみかんのある繁華街へ向け、車を走らせていた。休日ということでラフな格好で出かけようか…と思ったが、会社でそれなりのポストを頂戴している身としては、得意先や会社関連の重要人物に遭遇することを考慮に入れ、慎重を期さねばならないから、中庸を心掛けて出かけた。とはいえ、時研では、あの出で立ちで闊歩しているのだから、或る種、矛盾している発想だったのだが…。

 いつものA・N・Lで軽い夕食を済ませ、コーヒーを飲んで時を流した。そして、六時を回った頃、みかんへ向かった。この前もそうだったように、少し早いか…とも思えたが、ママから電話をしてきたくらいだから店は開いているに違いない…と踏んでいた。この時間帯で店へ寄るのは、その時を含めても、これで確か三、四度だった。その中で、三度までもが水晶玉の一件に絡んでいた。霊術師で沼澤草次という老齢の紳士に私やママ、それに早希ちゃんの三人は翻弄ほんろうされている嫌いがあるようだった。しかし、はっきりとした結論めいた結果を導き出せない限り、引くに引けない。というか、みかんの連中はその沼澤氏の話にどっふりと浸かっているのだから、私一人がどうこう云ってみたところでせんなき話だった。今後、水晶玉がどういう珍事を巻き起こすのかに全てはかかっていた。そしてこの時、向かっていたみかんでママが見せようとしていたものは…。

 例の格安駐車場に車を駐車させてしばらく歩き、みかんのある雑居ビルに到着した私は、店への階段を下った。

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