表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
230/317

第230回

 数日後、お告げのとおりの大異変が生じた。小菅こすが総理を巡る政治資金の問題が発覚したのだった。マスコミ各誌やテレビ、ラジオは連日、その報道に明け暮れ、ついに小菅内閣は総辞職に追い込まれたのである。当然、内閣は瓦解がかいし、私を含む閣僚一同は総辞職を余儀なくされた。こうして私は、やっと大臣の重責から解き放たれたのだった。こうなれば、議員でない私が永田町に踏みとどまる何の理由もなく、私は眠気ねむけへと帰省することになった。━ 大臣を、やめてしまえば、ただの人 ━とは、まさにそれで、私は頂点から真っさかさまに転がり落ちたのである。まあ、落ちた? のかどうかまでは分からないのだが…。

「部長、お久しぶりです。お元気でしたか?」

 眠気へ戻り、自分はやっぱり田舎いなかが向いているなあ…と、しみじみ思っていた矢先、児島君の懐かしい声がした。私は思わず振り向いて家前の道を見た。以前と、ちっとも変らない児島君が暗闇を背にして笑顔で立っていた。

「なんだぁ~、児島君じゃないか、久しぶりだな。どうしたんだ、こんな所で?」

「いやあ、なにね。部長が今日、戻ってこられるって聞いたもんで、待ってたんですよ。元大臣を誰も出迎えないなんて、眠気のつら汚しですからねえ~」

 そう云うと、児島君は明るく笑った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ