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第220回

その時、タイミングを合わせたかのように店の電話が鳴った。トゥルルルル…と響く電話音で、店奥から聞こえた。

「早希ちゃん、ちょっと出て…」

「はいっ!」

 早希ちゃんはカウンター椅子チェアーからあわてて立つと、店奥へと急いで入っていった。そして、何やら話しているようだったが、しばらくすると戻ってきた。

「沼澤さん、来られるそうですよ」

「えっ? だってさ、今日は木曜よ。何かの用で、こちらへ来られたのかしら?」

 ママは暗に、霊能教室は火、土曜だから、眠気ねむけ会館に沼澤氏は来ていないはずだ、と云ったのである。

「ええ…たぶん、そうだと思いますよ」

 私も奇妙には思ったが、そこはそれ、場の雰囲気をやわらげようと、ママに合わせた。その時、お告げの声が突如、私の耳、いや脳裡へ流れてきた。

『すべては私が仕組んだことです。塩山さんが今日、みかんへ久しぶりに来られることは分かっておりましたから、沼澤さんへ霊力を送っておいたのです。彼は、みかんへ寄りたい…と思った訳です』

「なるほど…」

 私はママや早希ちゃんに聞こえぬ程度の小声で、そっとつぶやいた。

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