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第216回

 小菅こすが内閣の農水相にいて約二ヶ月が経とうとするある日のことだった。私はいつものようにリビングにいた。新聞は、米粉プロジェクトが日本全国に波及したことを報道していた。これが沼澤氏が云った私のすごいことなのか…と思いながら新聞を畳んだ。

「塩山! 弱ったことになったぞ!」

 煮付につけ先輩から電話が携帯で入ったのは、その直後だった。もう寝ようとしていた矢先だった。ズボンに押し込んだ携帯が激しくバイブしだしたのである。

「ああ、先輩でしたか。何がありました?」

「落ちついて聞いてくれ。小菅総理を乗せた車が事故を起こし、総理が病院に担ぎ込まれたと今、官房長官の味噌漬みそづさんから電話があった!」

 先輩も小菅内閣の閣僚の一人だったから、毎日のように会っていたのだが、その日の日中は、取り立てて騒ぐようなことは起きていなかった。だから、先輩から電話が入り、聞いた内容に私は少なからず衝撃を受けた。多少の霊能は身についた私だが、まだまだ大都会の煩雑はんざつな暮らしには身体が順応していなかった。

「ええっ!? そ、それは本当ですかっ!」

「ああ、本当だ。夜分で悪いが、すぐ病院へ向かってくれっ! 私も行く」

「はいっ! どこの病院でしょう?」

「ああ、そうだった。済入会さいにゅうかい病院だっ!」

 私は携帯を切ると同時に立ち上がっていた。

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