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第209回

『今は、お邪魔なようですので、またの機会にします。では…』

 なんだ、冷やかしか…と、私は少し怒れた。初閣議の真っ最中に、よりにもよって…と思えたせいもあった。それでも、初閣議は粛々(しゅくしゅく)と運び、そう長くもなく終了した。小菅総理としては呼び込みの際、各大臣に所信と要望を云われていたから、取り立てて初閣議にはか事柄ことがらもなかったためと推測された。当然、私も呼び込みに際して云われていた。

「塩山さんには、民間人として忌憚きたんなく力を発揮して下さい。あなたのことは煮付につけさんからいろいろとお聞きしております。今、我が国が抱えている食糧問題に対処すべく、前内閣では米粉プロジェクトを立ち上げ、政府主導で対案を講じ始めたところですが、改造後の現内閣ではより一層、全国ネットでの展開をお願いしたい。これは我が国の農業の今後にも関係した重大事項ですので、よろしくお願いしますよ」

 一字一句とは云わないが、つまめば、総理の要望は大よそ、こんなものだった。ほこらしくもある地位の大臣だが、それだけ責任も大きいのだ。日本の将来を左右する立場として、農水省でやらねばならない課題は米粉だけのことではないのだ。ただ私は、なぜか出来そうに思えた。苦境に立てば、玉の霊が救ってくれそうだ…という気がしたからだった。

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