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第205回

 ひと月が流れ、ついにその時が来た。えっ! どんな時なんだ? と疑問に思われるお方もおられると思うので、つまんで説明すれば、煮付につけ先輩に打診された大臣登用の一件である。小菅こすが内閣は先輩が云っていたように改造を迎えようとしていた。当然、その半月ばかり前に先輩からの電話があり、心づもりしておいて欲しい…と、釘を刺された私だった。

「そうか…。まあ仕方なかろう。君の戦力を失うのは今の我が社にはつらいが、それもまあ在任中だけ、ということだから我慢しよう。日本全体の第一次産業の将来、ひいては食糧問題を考慮に入れれば、我が社の利益のみ考えている訳にもいくまい…」

 専務室の中で、私は鍋下なべした専務に事の仔細を報告していた。

「はい…。それまでは無報酬の外部顧問として、一応は我が社を離れますが…」

「大臣規範だったかな? そういう難しい決めがあるとは知らなかったよ」

「いや、私も玉に、いえ、時たま、国会中継を観るくらいで、政治にはうとかったもので、まったく知りませんでした」

 危うく口が滑りそうになったが、なんとか私は云い逃れた。専務も幸い気づかなかったようで、事なきを得た。

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