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第194回

待っている先輩を余り放っておく訳にもいかないから、私は携帯の保留をすぐ解除した。どう話すか…などと考えている余裕はなかった。

「なんだ? 何か、していることでもあったのか? 急に保留になったからな」

「ええ、まあ…」

 私は当たりさわりなく答えた。十日が消えた一件は、あとからゆっくり考えることにした。

「それで、どうするつもりなんだ?」

「はあ…、そのせつはお願いしようか、などと虫のいいことを考えておりました」

 場当たり的に出た言葉だが、まんざら思っていない訳ではなかった。

「そうか! 任せてもらえるなら、こちらとしてはおんの字だ。よろしく頼むぞ」

「はいっ! 政治の方はズブの素人しろうとですので、なにぶんよろしくお願いいたします」

「いや、こちらこそ。それじゃ、小菅こすが総理には、そのむねを伝えておくからな。また何かあれば電話する」

「はい、どうも…」

 電話はそれで切れた。切れたのはいいが、私はそれどころの話ではなかった。何といっても消えた十日間の問題を早急に解決せねばならなかった。私はすぐ、第二課長の児島君を内線で呼び出した。

「ああ、児島君か、塩山だ。悪いけど、すぐ部長室まで来てくれ。訳はあとから話す」

「はい! 今、すぐ…」

 児島君があわてて席を立つガサッ! という音が聞こえた。

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