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第193回

「おお、塩山か。どうだ、この前の返事は?」

「返事って…。十日後だと云ってらしたじゃないですか」

「だから電話したんだよ」

「何を云ってられるのか、訳が分かりません。部長室でお会いしたのは昨日きのうですよ?」

「君は寝惚ねぼけてるのか? それとも、悪い冗談のつもりかっ!」

 先輩はやや怒った感じの声で云った。しかし、どう考えても私、いや、私だけではないすべての人々が昨日の今日だという…と、思えた。確かに昨日、東京から来た先輩に会ったのだ。そして、今朝は少し早く出勤して禿山さんと話していた・・という明確な記憶があった。部長室でいくら長く眠っていたとしても、せいぜい小一時間が限度かと思えた。私は携帯の保留ボタンを押し、日付を見た。そして驚愕した。なんと…まる九日ここのか間、すなわち、大よそ二百十時間がスッポリと消滅していたのである。常識では到底、考えられない事態が現実に起きていた。玉の偉大な霊力によることは、ほぼ疑いがなかった。しかし、だとしても、消滅した九日間、私はどこにいたというのか…。ここの応接セットで眠りこけていたというのか。童話の『眠り姫』じゃあるまいし…と、訳もなく怒れた。

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