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第186回

 寝耳に水の話で、私はしばらく茫然ぼうぜんとして言葉を失った。冷静になろうとするが、すぐ心が乱された。恐らくは、みかんの玉が霊力を発して先輩をその気にさせた…と考えられた。でなければ、あまりに突飛でありえない話だったからだ。

「…なぜ、私なんです!?」

 一瞬の途切れた会話が復活した次の瞬間、私は思わずそうたずねていた。

「理由は、ただひとつ。そう思ったからだ」

 この言葉で、みかんの玉が放った霊力による、ということが、ほぼ確定した。

「だが、それだけじゃないぞ。お前の有能さは学生時代から見てきた俺が一番よく知ってる」

「いやあー、嬉しいんですが弱りました。今はとても心の準備ができません。お引き受けしていいものかどうか…」

「そら、そうだろう。以前のように十日ばかり待とう。改造は、まだ当分先のようだからな」

「その改造内閣は、いつ頃?」

「総理の腹づもりひとつだが、この前のお話では、半年ほど先をお考えのようだ…」

「半年ほど先ですか…」

「ああ…。飽くまでも目安だ。予算審議や重要法案の成立いかんでは延びるかも知れん」

「何もなければ半年後、ということですね?」

「まあ、そうなるかな…」

 ふたたび、二人の会話は途切れた。

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