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第175回

「なにぃ~!? 湿っぽいわねえ~。唄お!」

 その嫌な感じを絶ち切ったのは早希ちゃんだった。彼女は突如、椅子チェアーから立つと、ボックス席へ近づき、カラオケ電源をオンした。そして何やら選曲してスイッチを入れた。その曲の前奏曲が流れ、モニターに映像が映し出される。私の世代では唄わないヤング層の歌だとすぐ分かった。曲調が派手で今風の曲だ。早希ちゃんはその曲を上手く唄いこなしていった。私と沼澤氏は、また話し始めた。

「今の子の曲ですなあ…」

「ええ、時代も変わりました…」

「確かに…」

 早希ちゃんの唄を聴くでなく聞いていると、ふと、煮付につけ先輩のことが頭をよぎった。先輩は十日後にまた電話すると云っていたのだ。鍋下なべした専務が取締役会を社長に進言してからの話だが、プロジェクトに我が社が参入することが本決まりになれば、私の仕事内容は大きな変更を余儀なくされるだろう。それは目に見えていた。ある意味、魅力的な話だったが、逆の意味での不安という一面もあった。今までの仕事の内容やリズムが極端に変われば、それだけ仕事への負担が増すのだ。会社もそれは分かるだろう。ただ、それより企業収益や我が社の将来にプラスだと判断されれば、承認されることは、ほぼ間違いなかった。

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